フランス語の無冠詞【冠詞が付かない場合】と【前置詞DEとの関係】。冠詞その4

みなさん、こんにちは。冠詞シリーズの最終回は【冠詞が付かない場合】無冠詞についてです。

冠詞が付くか付かないかは、無冠詞名詞があとに続くと決まっていない前置詞「DE」のあとで、たいがいヤヤこしくなります。

今回はその「DE」に関わる冠詞を中心に、【冠詞が付かない場合】を見ていきたいと思います。

 

冠詞に関する、その他のテーマはここ↓で解説しています。

【冠詞の種類とその使い方】について。冠詞その1

【定冠詞・不定冠詞・部分冠詞】による意味の違い。冠詞その2

【否定文における冠詞の変化】について。冠詞その3

 

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I.  【数量】をあらわす表現のあとの無冠詞

beaucoup de/ trop de/ assez de/ peu de …

un morceau de/ une tranche de/ un paquet de/ une bouteille de/ une boîte de/ un kilo de…

上のような「DE」をともなった数量をあらわす言葉のあとでは、名詞に冠詞はつきません

 

Jai beaucoup de choses à faire.

やることがいっぱいあるんだ。

Jai mis trop de sel.

塩入れすぎた。(多すぎる塩)

Je nai pas mis assez de sel.

塩を十分に入れなかった。(十分な塩)

Jai reçu un bouquet de fleurs ce matin.

今朝花束をひとつ受け取った。

Je bois deux bouteilles deau par jour.

1日にボトル2本の水を飲む。

 

数量をあらわす表現一覧はこちらをごらんください。

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II.  【前置詞 DE 】 のあとの冠詞について

 不定冠詞の複数 « des » と部分冠詞 « du / de la (de l’) » は、前置詞 «DE» のあとでは落ちてしまいます。

確かに de des/ de du/ de de la… は発音しにくいです。つまり « le /la /les /un /une » が残ります。

 

Jai envie de soupe ce midi.

お昼はスープがいい。(de+de la soupe) (部分冠詞は落ちる)

Le sol est couvert de poussière.

床がホコリで覆われている。(de+de la poussière ) (部分冠詞は落ちる)

Le jardin est couvert de fleurs.

庭は花で覆われている。(de+des fleurs) (不定冠詞複数は落ちる)

Jai besoin dune cuiller.

スプーン1本必要なんだけど。(不定冠詞単数は残る)

Jai besoin de ciseaux.

はさみが要るんだけど。(de+des ciseaux )(不定冠詞複数は落ちる)

Jai besoin damour.

ぼくは愛が必要なんだ。(de+de lamour) (部分冠詞は落ちる)

Jai besoin de largent que tu me dois.

君に貸したお金が必要なんだけど。(定冠詞は残る)( Tu me dois. = 君は私に借りがある。)

Je vais mourir de chagrin.

悲しみで死んじゃいそうだ !(de+du chagrin) (部分冠詞は落ちる)

Je vais mourir dun chagrin damour.

失恋の悲しみで死んじゃいそうだ。(不定冠詞単数は残る)

Je parle de la photo qui est sur la table.

テーブルの上にある写真について話してるんだ。(定冠詞は残る)

On parle des meilleurs livres à lire.

読むべき最良の本について話してるんだ。 (de+les meilleurs livres= des meilleurs livres) (定冠詞は残る)

 

ここで、ちょっと【名詞+DE+名詞】についてみてみたいと思います。

 

【名詞+DE+名詞】における無冠詞

 

この語形はよく使うのですが、後ろの名詞の冠詞のつかい方が非常に難解です。冠詞において一番むつかしいテーマじゃないかと思います。私も完全には理解できていないのですが、一応の目安としている考え方を述べておきます。

まず次のポイントを思い出しておきます。

Rappel
ポイント1 【定冠詞】① 物事の全体を指す。② 物事の身元の特定。(話の流れや一般性から、物事の身元がすでに特定されてる、または容易に特定できる場合につかう。) de+le=du/de+les=des
【不定冠詞/部分冠詞】物事の身元を特定しない場合。前者は数えられる名詞につかう。後者は数えられない名詞につかい、一部分をあらわす。
ポイント2  前置詞DEのあとでは、不定冠詞「複数 « des »」 と「部分冠詞」は落ちる。

上記のポイントを思い出しておいて、次のポイント3もアタマに入れます。

ポイント3 De + 無冠名詞 =  その名詞自身は冠詞がないため、数量や身元など自分の存在を主張しません。あたかも前の名詞と1語であるかの様な顔をしてくっついて、単に自分の持つ基本的意味で、前の名詞を修飾する形容詞のような役割をしてます。

それではみていきます。

 

de l’eau de mer  

海水 (単に海水という意味。de mer が形容詞のように eau にくっついて働いてます。海が特定されると l’eau de la mer Morte 「死海の水」のように定冠詞で海が特定されます。)

du lait de chèvre  

ヤギミルク (上と同様、de chèvre が lait に完全にくっついて形容詞のようになってます。)

Cest la clé de la voiture.

それ車のカギだよ。( la voiture = 定冠詞がついているので身元が既に特定、または容易に特定できる車。車が特定できているため、カギも定冠詞で特定されています。 « la clé de voiture » といっても同じ効果ですが、de voiture がカギを形容しているだけで、車の特定はしないので、単なる「車のカギ」ときこえます。これ何?という質問に « Cest une clé de la voiture. » は場合によってはちょっと変に聞こえます。車が特定されてるのにカギは特定されない??となるからです )

une clé de coffre-fort
“Je ne connais pas cette clé. On dirait une clé de coffre-fort…”

このカギ知らないな。金庫のカギっぽいけど… (une clé = 不定冠詞でカギの身元不明な様子がわかります。カギ自身が身元不明なので、金庫の身元も特定はできません。)

un homme daffaires

実業家 (des affaires = 複数形で商売ビジネスを意味。元は de+des affaires で不定冠詞複数 des が落ちて d’affaires になってると考えられます)

le roi des animaux 

百獣の王 ( le roi =王様は普通1つなので定冠詞で特定。des animaux = de + les animaux。定冠詞複数 lesで全種類の動物を総まとめでさしてます) 

 

以上が【名詞+ DE+名詞】の冠詞についての大まかな考え方です。実際はルール通り説明できない表現がけっこう出てくるので、その時はそのまま覚えて行くしかないのかなあと思っています。

(例) l’armée de terre/ l’armée de mer/ l’armée de l’air

 陸軍/ 海軍/ 空軍 (なんで空軍だけ冠詞がつくのか…)

 

.  SANS】のあとでの無冠詞

SANSのあとは基本、冠詞が落ちます。

 

Je prends mon café sans sucre.

カフェは砂糖なしで飲む

Elle mange du pain sans gluten.

彼女はグルテンフリーのパンを食べている。

Il ny a pas damour sans confiance.

信頼なくして愛はない。

 Remarque
定冠詞や不定冠詞単数の名詞で「形容詞などで個性化されている名詞」または「 un/une の”1つの”という意味を強調する場合」には、その冠詞は残ります。
【例】Il se déplace sans un bruit. (彼は物音ひとつ立てずに移動する。→物音 “1つ” が強調される必要があるので冠詞は残っています。)

 

AVEC抽象名詞があとに来る場合は、冠詞が落ちることが多いです。

ですが « SANS » と同様、抽象名詞でも形容詞などで個性化されている場合は冠詞が残ります。( 具象名詞の冠詞は基本残ります。【例】avec du sucre )

avec patience / avec force/ avec plaisir…

avec un grand plaisir  /avec une très bonne qualité 

 

.   【職業・国籍・宗教】表現での無冠詞

動詞 « être » をつかって「職業・国籍・宗教」をいう場合は冠詞はつきません。ただし « Cest » の文であれば冠詞は必要です。

 

Il est musicien./ Elle est japonaise./ Ils sont chrétiens. (キリスト教徒)

Cest un bon musicien./ C’est une Française./ Ce sont des chrétiens.

 

おわりに

これで4回続いた【冠詞】のはなしも一旦おわりです。説明がなかなか上手くできず何だかややこしく感じたかと思いますが、各冠詞の持つ “基本的な意味と役割” だけはしっかり理解しておくのが大切です。冠詞ストレスから解放されるのが早くなります。

そして、いろんな文章を目にするたびに、読む時はおろそかにしがちな「冠詞」を意識して読み解いてみてください。冠詞の感覚をつかむ大きな手助けになると思います。

 

冠詞に関する、その他のテーマはここ↓で展開しています。

【冠詞の種類とその使い方】について。冠詞その1

【定冠詞・不定冠詞・部分冠詞】による意味の違い。冠詞その2

【否定文における冠詞の変化】について。冠詞その3