フランス語【定冠詞・不定冠詞・部分冠詞】の意味の違い。冠詞その2

みなさん、こんにちは。フランス語の【冠詞】第2弾です。

今回は、前回のことを踏まえた上で【定冠詞・不定冠詞・部分冠詞」による意味の違い】について、例文をとおして少し理解を固めてみたいと思います。

それではどうぞ、ごらんください♪

 

【冠詞】に関する、その他のテーマはこちら↓です。

【冠詞の種類とその使い方】について。冠詞その1

【否定文における冠詞の変化】について。冠詞その3

【冠詞が付かない場合】と【前置詞 DE との関係】。冠詞その4

 思い出しておく【冠詞】の基本情報

【定冠詞】 LE (L’)/ LA (L’) / LES 

その物事の 全体 を指します。よって、物事の 身元を特定 できたり、物事をカテゴリーとしてとらえることができます。(つまり、話の流れや一般性から、物事の身元がすでに特定されてる、または容易に特定できる場合につかうことになります。)

 

【不定冠詞】 UN/ UNE/ DES 

数えられる名詞に使い、物事の身元が特定されていない状態 になります。「ある1つの/いくつかの」という数の意識が入ります。単数名詞で、かつ形容詞でキャラクター性を与えられた名詞は、その価値が主張される傾向にあります。

 

【部分冠詞】 DU / DE LA (DE L’)

不定冠詞と同じく身元は特定されません。数えられない名詞に使います。その物事の「部分」を表現します。

 

上記のことを思い出した上で、つぎの例文をみていきます。

【定冠詞・不定冠詞・部分冠詞】による意味のちがい。

基本的に、使う冠詞は文脈によって決まってきます。例文で冠詞による意味を比較してみましょ。

C’est un bon vin.
それはねえ、いいワインだよ。

例えば「シャンベルタンのワインってどうなの?」と聞かれたときの返事。

 

Il ne boit que du bon vin.
彼は良いワインしか飲まない。

細かい量を表現する必要なく「~を飲む」と言いたいので部分冠詞を使う。

 

Il est monté dans la voiture.
彼は車に乗り込んだ。

すでに話題にのぼっているなど、特定できる車に乗り込んだ。

 

Il est monté dans une voiture.
彼はある一台の車に乗り込んだ。

 

La maison en face de l’école
学校の向かいにある家

話題にのぼってるなど、聞き手も特定できる家と学校。

 

Une maison en face de l’école
学校の向かいにある一軒の家

どの家のことかはすぐ分からないけど、学校の正面にある一軒の家。

 

J’aime les chats.
ネコが好き。

ネコ全般をさす。

 

J’aime le chat.
ネコが好き

食べ物の話をしている時なら「ネコの肉」ともとれるし、ペットショップで色んな動物を前にしてなら「わたしはネコがすきだな~」ととれる。

 

Qu’est-ce que tu as mangé ce midi ?
お昼は何食べたの?

-J’ai mangé un poisson.
サカナ1匹たべた

-J’ai mangé des poissons.
サカナを数匹たべた

-J’ai mangé du poisson d’hier soir.
昨日の晩の魚を食べた (部分的)

-J’ai mangé le poisson d’hier soir.
昨日の晩の魚をたべた。(全体的)

 

Je connais des Français qui sont ponctuels.
時間に几帳面なフランス人を知ってるよ。

仏人について総体的に語っているわけでなく、仏人の中の一部をさす。

 

Les Français sont très ponctuels.
フランス人って時間に几帳面だよね。

世界の人種としての「フランス人って~」ともとれるし、例えば多国籍チームの中でなら「そのチーム内のフランス人たち」を指すこともできる。

 

Je veux boire de la bière.
ビールが飲みたい。

boire が来たら部分冠詞が多い。

 

Je voudrais une bière.
ビール1杯ください。

店で飲み物を注文する時など « un/une » を使うのは「一人前」として勘定しているため。

 

Il y avait de l’ambiance.
雰囲気あったねえ。

どんな雰囲気かはともかく、雰囲気があったと言いたい。

 

Il y avait une ambiance spéciale.
特異な雰囲気があったよ。

ambiance は数えられないけど、形容詞で個性化している。

 

Tu as de la monnaie?
小銭もってる?

部分冠詞で「なんぼかの硬貨」なので小銭。

 

Gardez la monnaie.
おつりはとっといて下さい。

定冠詞で「戻ってくる硬貨」を特定しているので「おつり」ととれる。

 

J’ai de la chance de travailler avec elle.
彼女と一緒に仕事できるなんて、ツイてるなあ!

彼女と一緒に働けるとは「幸運の一部を持ってる」ということ。

 

J’ai eu la chance de travailler avec elle.
幸運にも彼女と一緒に働いたんだよ。

定冠詞で「彼女と一緒に働ける幸運」と運を特定している。

 

 おわりに

冠詞は奥が深いです。理屈ではなかなか物にできず、感覚的に理解することが必要なように感じます。

うまく冠詞を使い分けるためには、色んな説明や例文をたくさん読んで、自分なりに解釈のルールを見つけていくことが大切だと思います。

残る2回は【否定文における冠詞の変化】と【冠詞が落ちる場合・前置詞DEとの関係】についてです

それではまた次回♪

 

【冠詞】に関する、その他のテーマはこちら↓です。

【冠詞の種類とその使い方】について。冠詞その1

【否定文における冠詞の変化】について。冠詞その3

【冠詞が付かない場合】と【前置詞DEとの関係】。冠詞その4

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