フランスのパティスリーの定番タルトといえば、チョコ、リンゴ、洋梨、レモン、いちご。それにシーズン物のアプリコットやミラベルなど。色々な果物でタルトが作られます。
でもなぜか、パイナップルのタルトは見たことがありません。あんなに年がら年中、果物屋で売られているというのに。。。良品質なパイナップルでも1個10ユーロ以内で手に入ります。安くはないけど超高級果物というわけでもありません。
どうしてもタルトで食べたいので、自分で作ることにしました。
まずは、近所の青果店でトーゴ産の7€のパイナップルを入手。お店の人曰く、中心の葉っぱを引っ張ってスコッと抜ける状態、胴体から甘い芳香がする状態、表面の皮がパツンパツンでなく少し緩んだ感じの状態が、食べ頃の判断になるそうです。私は自信がないのでお店の人に選んでもらいました。
美味しそうなパイナップルを片手に、さっそくキッチンに入ります。しかし、ここでちょっと迷いました。タルトの形態です。
フランスで見る果物タルトには、大きく分けて2手あります。
ひとつは日本でもよく見るタイプ。甘いサブレ生地にアーモンドやカスタードのクリームがひかれ、その上に果物がのる職人風タルトです。イチゴやレモンや洋梨など熱を入れると崩れやすい果物や、量を使い辛い果物にこのタイプが多いです。
もう一つは、ブリゼ生地をディスク板状に広げた平たいタイプ。ジャムなどを塗り、薄切りにした果物をギッシリ敷き詰めて焼く、シンプルなホームメイド風です。リンゴ、アプリコット、ミラベル等でよく作られ、果物自体を満喫できます。
はてさて、パイナップルタルトをどちらで作ろうかな…
「パイナップルタルト」レシピ
さてさて夢のパイナップルタルト。結局、ジューシーな焼きパイナップルをドッサリ頬張るのに憧れたので、シンプルな方で作ることにしました。
そしてタルト生地は、いつも冷凍庫に在庫してある既成のブリゼ生地(無糖)を使います。この生地はタルトサレにも使えるので、ストックしておくと重宝しますね。ズボラなので手抜きに躊躇はありません。
表面の黒い粉はシナモン粉。焼き上がり直後に少しふってます。
材料 タルトシート1枚 パイナップル1本 A 卵大1個 ココナッツミルク : 100ml (生クリームや牛乳でも) アーモンドプードル : 大さじ1(小麦粉でも) 砂糖 : 50g(下記ポイント参照) バニラエッセンス : 適宜 ラム酒 : 適宜 シナモン粉 : 適宜
作り方
①オーブンを180℃に温める。パイナップルは皮と芯をとって薄切りにする。タルト生地をクッキングペーパーの上に広げる。液の流出が心配なら、生地をタルト型に敷く。
②Aをよく混ぜ合わせつなぎ液を作る。バニラ等で好みの香り付をする。タルト生地に液を半分ほどを塗る。
③薄切りにしたパイナップルをギッシリと並べ、残りのA液を上から流す。180℃のオーブンで様子を見ながら30分ほど焼く。
ポイント ・つなぎ液の砂糖量は、果物の甘さとタルトシートが有糖かで調整しています。タルト生地が無糖だと液はしっかり甘め、有糖だと液は気持ち甘さ控えめに。砂糖の量は実際に液を味見しながら入れていきます。 ・焼き上がったらアプリコットジャムをハケで表面に塗ると、艶がでてきれい。
— —
パイナップルは、ココナッツとラム酒ときび砂糖との相性が抜群に良いです。一気にカリブ海風になります。バニラアイスを一玉添えると、夏のすてきなデザートにもなりますね。
ボナペティ♪