今や日本でも有名な南仏の野菜料理「ラタトゥイユ」。
夏野菜たちのトマト煮ですが、シンプルな料理なだけに、家庭によってレシピにこだわりがあります。
そういう料理に絶対登場するのが、「本当の〇〇ってのは〜 」というフレーズ。
そこで今回、南仏の友人ミリアムが「本物」のラタトゥイユとやらを教えてくれたので紹介します。
しかし、偽のラタトゥイユがあるのだろうか、、、(笑)
Table des matière
ミリアムの「本物のラタトゥイユ」レシピ
材料比 (大ざっぱでOK) パプリカ (赤と緑) 1: ズッキーニ 1: ナス 1: トマト 3 ニンニクみじん 好きなだけ バジル (乾燥/生) 好きなだけ オレガノ(乾燥) 好きなだけ 砂糖 数つまみ 塩胡椒 適宜 オリーブオイル なみなみと
作り方
①パプリカ、ズッキーニ、ナス、トマトを好きなサイズに切る。皮の処理はお好みでどうぞ。
②トマト以外の野菜をそれぞれオリーブ油で焼き色がつくまで炒め、旨味を引き出しておく。
野菜の表面が透明になり、焼き色が入ればOK。
③煮込む鍋で、みじん切りニンニクをオリーブ油で軽く温め、トマトも投入して軽く炒める。
④先ほど炒めた野菜も鍋に戻し入れ、乾燥バジルとオレガノ、塩、砂糖を数つまみ加え、ときどき混ぜながら蓋をずらして煮込む。
⑤野菜から出た煮汁がトロトロになったらOK。生バジルならここで投入してクタッとさせ、塩胡椒で味を整えて完成。
生バジルは食べる時に散らしてもいい。
☆イチ押しのハーブは、乾燥オレガノ+生バジル。もちろんロリエやタイム、エルブドプロバンスでも美味。
☆ミリアム曰く、使う野菜は上記4種のみ。パプリカは赤と緑を。そしてタマネギは入らないのが本物だとか。確かにタマネギは旨味が強く入れたくなるんですが、視覚的に味が定番化しやすいんですね。なので入れない方が、夏野菜たちの味をきっちり楽しむことができて新鮮です。
彼女のレシピは、私の一番のお気に入りです。材料がシンプルな分、野菜を別々に炒めて旨味を引き出すひと手間と、オリーブオイルを思い切った量を使うのが、美味しさのポイントだと思います。砂糖もいい仕事します。ミリアムは邪道だと怒りそうですが、個人的にはバルサミコを加えて煮汁を詰めたのも好きです。
ラタトゥイユはやっぱり家庭の味
日本で煮物といえば、お袋の味。ラタトゥイユも同じで、フランス人が幼少期の舌の記憶を辿って、親や祖父母のレシピを追い求めたがる料理です。使う野菜や香辛料の種類と量はもちろん、火の入れ方、野菜のカットまでこだわります。
これまで色々な人のラタトゥイユをよばれました。玉ねぎ入りはもちろん、生姜やスターアニスで煮込まれたもの、隠し味にピモンデスプレットやバルサミコ、オーブンで熱調理したラタトゥイユなど、ほんと様々です。どのレシピにも個性とストーリーがあり、毎回とても美味しくいただきました。
昔は日本ではズッキーニもパプリカも珍野菜でしたが、今ではスーパーでも見つかるポピュラーな夏野菜。ぜひとも何度も作って、自分のレシピを探求してみてください。冷蔵庫で冷やしたラタトゥイユは、日本の夏にもよく合いますよ!
ラタトゥイユが余ったら… おまけレシピ
①バターを塗ったグラタン皿に、温かい白ごはんを敷き、バターをちょい乗せ、温めたジューシーなラタトゥイユをかけ、その上にトロけるチーズをドサッと乗せ、オーブントースターに入れる。
②チーズが溶ければOK。きざみパセリやバジル、タバスコをかけてどうぞ。