ハヤシライスやビーフシチューといった、牛肉と茶色ソースの洋食料理は、子供時代の「特別な日の、特別な料理」。
今でも何か嬉しいコトがあった日には、食卓にあの味と興奮を再現したくなります。
そして、いざ作ろうと決めたら、ここは日本人としてレーズン入りハヤシか、ゴロゴロ肉のシチューか悩みたいところ。
でも、フランスの肉屋に薄切り肉は売っておらず、選択の余地なくシチューに。仕込みと煮込みに2日ほどみて、食べる予定を立てます。
そう聞くと大変そうな感じがしますが、やる事はシンプル。マリネしてゆっくり煮込むだけ。小説一冊を片手に、半日のんびり台所に篭れる日があれば楽勝です。
寒い冬だけでなく、春秋の少し肌寒い季節 ( 特に雨の日!) にも似合う料理です。
フランスの家庭料理「ブフ・ブルギニヨン」をつくる。
フランスのビーフシチューと言えば、ブフ・ブルギニヨン « Bœuf bourguignon »「牛肉のブルゴーニュ風」です。
肉を赤ワインでコトコト煮込んだ、ワイン産地ブルゴーニュならではの家庭料理。
ブフ・ブルギニヨンは、肉のホロホロでジューシーな煮上がりが命なので、肉をマリネするかどうか、どんな鍋で煮込むか、オーブンを使うかなど、人それぞれ最良とするレシピが異なります。
私は今のところ、「肉をワインと玉ねぎで1晩マリネして、セラミック土鍋で煮込む」で落ち着いています。
材料4人分 【煮込み用】 牛すね肉 ブロック1kg ベーコン 厚切り1枚 玉ねぎ 大1個 にんじん 2本 マッシュルーム 好きなだけ バルサミコ酢 大さじ2 ブイヨン汁・トマト缶 適宜 【マリネ用】 赤ワイン 1本 玉ねぎ 大1個 にんにく 2片 ブーケガルニ (ロリエ・パセリ・タイム等) 塩コショウ 適宜
作り方
①肉は大きめブツ切り、マリネ用の玉ねぎは薄くスライス、にんにくは芽を取る。
②ブーケガルニは糸で縛るか茶袋に入れて、後で回収し易いようにする。
③保存容器に①②を入れ、塩コショウし、ワインをたっぷりヒタ注ぎ、冷蔵庫で一晩マリネする。
④翌日、マリネ肉を取り出してペーパーで軽く水気をとる。
⑤ブーケガルニを取り除いた残りのマリネ液は、小鍋で沸騰させて灰汁を除いておく。
⑥ベーコンは拍子切り、玉ねぎはクシ切り、にんじんを輪切りにし、フライパンで軽く炒めて煮込み鍋に移す。
⑦同じフライパンで小麦粉をまぶした肉を、表面をざっくり焼き付けて、煮込み鍋に移す。フライパンについた肉エキスも、マリネ液ですすいで鍋に移す。
⑧残ったマリネ液とバルサミコを鍋に加え、ごくごく弱火で最低3時間は煮込む。水分量 (肉が完全に隠れる) が足りない場合は、ブイヨン汁やトマト缶を足して調整する。
⑨後半、スライスしたマッシュルームをフライパンで少し炒めて鍋に投入し、煮込みを完成させる。一晩ゆっくり冷まして、翌日に温め直して食べる。
生パセリやセロリの葉束を入れて煮込んでも美味しい。
入れた香菜は途中で取り出す。
ポイント ・使うワインはブルゴーニュでなく、ローヌなど手頃な価格帯で十分。ただ結構な量を使うので、飲んで美味しいのを使いたい。 ・肉はグツグツ煮て短時間で火が入ってしまうと固くなるので、長時間かけてジワジワ熱を入れるつもりで煮込む。 ・付け合わせは茹でジャガやパスタが主流だけど、白米でも文句なく美味しい。
ぜひ作ってみてね。