レユニオンの料理「ルマザヴ」

マダガスカル料理【ロマザヴ風】とブルグル添え / 洋梨のタルトタタン

普段は南仏に住んでいて、パリに来るときは毎回、我が家に泊まるマダガスカル人の友達がいます。

彼にはパリ市内に住む友達が大勢いるのに、わざわざ郊外のうちを拠点にするのです。

彼曰く、毎日お米を食べる家がココだからだそう。

ものすごく共感できる発言に、思わず笑ってしまいました。

 

彼はマダガスカルの大家族の家庭に生まれ、お米で育ちました。

そんな彼ももう50年近くフランスパンの国に住んでるけれど、1日1食はお米を食べないと調子が狂うと言います。

私も若い頃は白米以外の、こだわり系炭水化物しか興味なかったのですが、歳と共に胃腸の状態も変わるもんです。

今ではすっかり白米になりました。

 

日本とマダガスカルは、地理的にはものすごく離れてるけど、同じ島国で、同じ米食文化。

彼と話していると、食文化はもちろん、物の見方や考え方など、どこか昔の日本人と共通した感覚があるのを感じます。

 

私は彼の作る料理が大好きです。

彼は冷蔵庫の中にあるもので、即興でおいしい料理を作ってしまいます。

この料理はこうじゃなきゃダメという、フランスでは珍しくない、用心深い保守性みたいのがありません。

知ってるレシピを元にバリエーションを広げ、その時に手に入る食材で楽しく料理する。

初めての食材や料理だって、興味津々、まずは食べちゃいます。

料理すること、食事することに対して、精神的にとても柔軟性があるのです。

 

今回は、その彼が教えてくれた、マダガスカル郷土料理【ロマザヴ風】を紹介します。

マダガスカルも米食なので、日本人の口に合う料理が多いですよ。

マダガスカル料理【ロマザヴ風】レシピ

マダガスカルの家庭料理「ロマザブ/Romazave」

簡単にいえば「肉と青菜のニンニク生姜風味の汁煮物」で、白ゴハンといただきます。

手の込んだ料理ではないですが、ワンプレートでサラッと済ませたいランチにはもってこいです。

 

本来この料理に使う青菜は「ブレッドマファンヌ/Brède mafane」と呼ばれ、花の部分の味が独特で、口がマヒするような感覚を起こさせる、辛味のあるキク科の植物です。

ブレッドは入手が困難なため、今回は「生バジル」で代用しています。

レユニオンの料理「ルマザヴ」風を作る。

お米の代わりに添えた挽き割り小麦「ブルグル」。
クスクスの様に熱湯で戻すだけで食べれる。
クスクスはノドが詰まるけど、ブルグルは粒が粗いのでまだ食べやすい。

 材料 (4食分)

燻製豚バラ厚切り(燻製ソーセージ)*   好きなだけ
玉ねぎ : 大2(クシ切り)
トマト : 大2(湯むきして粗切り)
生姜 : ひとかけ(みじん)
ニンニク : ひとかけ(潰す)
塩コショウ : 適宜
バジル* : 好きなだけ大量 

肉は豚でも牛でもOK。完全な赤身より、少々脂っぽい方がこの料理には合う。燻製肉は少し入れると風味が立って美味。

バジルのほか、クレソン、ルッコラ、ほうれん草とのミックスでも。

ルマザヴの作り方ルマザヴの作り方

作り方

①鍋で一口大に切った肉をざっと炒め、皿に上げておく。

②同じ鍋で玉ねぎを炒める。

③玉ねぎが透明になったら生姜・ニンニク・トマトを投入。肉を戻し入れる。

④具材全体が馴染んだら、具が被るくらい水 (ブイヨン) を入れ20分ほど煮る。塩気が足りなければ足す。

⑤肉が煮えたら、洗ったバジルをドッサリ入れる。バジルがシンナリしたらOK

⑥白ゴハンを添えていただく。

 

🌶辛いのが好きな人は唐辛子ペーストを添えてどうぞ。使う肉が脂っこいほど、唐辛子や以前紹介したルガイユソースが良く合います。

おまけのデザート【洋梨のタルトタタン】

洋梨のタルト・タタン。

本来タルトタタンはリンゴですが、洋梨で作りました。ウィリアムとアンジュという2種類を使用。

タルトタタンは色々なレシピが存在します。私はフライパンでリンゴ(今回は洋梨)をバターソテーしてから型に詰めます。

ソテーの段階で洋梨の水分をかなり飛ばしたつもりでしたが、出来上がりの汁気が多くなりました。

全体のカロリーを考慮し、底のカラメル濃度をかなり薄くしたので、出来上がりがサラッとしすぎたのかもしれません。

洋梨の上にかぶせるタルト生地は、アーモンドプードルをたっぷり使いました。洋梨の風味とアーモンドの香りが、よく合っていたと思います。

オーブンから出した洋梨タルトタタン。

焼きあがったタルト生地の表面が凸凹でも無視。どうせひっくり返すので見えません。

オーブンから出した洋梨タルトタタンに重石をする。

オーブンから出したら熱いうちに、コップの底などで、タルト生地部分を静かに押さえます。

上の写真は、ヒヨコ豆を詰めた別の型を重石にしてます。タルト生地と果物がグッと詰まるので、冷めると型がしっかりつきます。

タルト系は、室温で食べるのが一番美味しく感じます。冷蔵庫で保存することもあると思いますが、食べる時は室温に戻すか、温める方がおすすめ。冷蔵庫で冷えきったタルトは、なぜだか美味しくないです。。。

以上が、おまけの洋梨のタルトタタンでした。普通のタルトタタンに飽きた人は、洋梨で作ってみてくださいね。

 

今思えば、マダガスカル料理のデザートに「洋梨のタルトタタン」はズレてましたね。。。

もしメニューにこだわるなら、ココナッツやヴァニラ、バナナやパイナップル系の粉物ケーキや、アイスの方が似合うと思います。

この「ロマザヴ風」レシピは、バジルの使い方に驚かされたレシピです。

ハーブとして香りづけに使うとか、ペーストにするしか使ったことのなかったバジル。それを葉物野菜として火を入れてドッサリ食べるとは、目から鱗でした。

風味が強すぎるのでは?と心配だったのですが、なんてことなくペロッと美味しくよばれました。

それではまた♪

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