先日、久々にセネガル人の友達が家にやって来ました。
彼が我家に来る時はいつも直前アポです。普通に考えると、先方の段取りもあるし突然だなんて迷惑な話ですが、彼との場合はこれで良いのです。
インシャラ精神というか何というか、予定を立ててもその通りに来たことがないから。なぜまだ到着しないんだろ?と心配になって電話すると、全然他所の土地に居たりして、予定の1週間遅れで到着したこともあります。
いつの間にか、お互い約束はしなくなり、直前の連絡で都合が良ければ会うというスタイルになりました。最初はいい加減だなあと思ったものですが、このユルさが許される関係というのも、案外ストレスがなくて楽。
そして何より彼は、話し相手を決して疲れさせない超快適キャラ。約束の成り立たない不思議な間柄でありながら、長く友人関係が続いています。でも実際は、彼以外でこんな関係が通用する友人はいないので、かなり特殊とは言えそうです。
ちなみに、先に書いたインシャラとは「アラーの神がお望みなら」という意味のアラビア語。返答にこれを聞くと真意は「そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない」ということです。
そんなこんなで彼がうちに着いたのは、お昼の2時頃。日曜日なのでフランスではランチ時刻です。
もちろん来客の予定はしていなかったため、冷蔵庫には鶏の脚が2本あるのみ。普通だとこんな状況で来客だなんてすごく焦るけど、彼との場合はこっちも適当でOKなので一切焦りません。
さて昼食をどうしようかと、のんびりアペロのラディッシュをつまみながら考えていると、彼が「プレヤサ」を作ってくれると言います。
セネガルも米食文化なので日本人の口に合う料理が多いです。以前彼が作ってくれた「チェブジエンヌ」がとても美味しかったので、彼の料理の腕前が確かなのは知っています。今回の「プレヤサ」も、彼の長閑な人柄を表すかのようで、とても美味しい一皿でした。
「プレヤサ」のレシピ
« Poulet Yassa »プレヤサ、
またはヤサオプレ。
言わば鶏のマスタード煮込み。
材料2人分 鶏肉*(骨皮つき腿やドラム) : 好きなだけ 玉ねぎ : 大3個 (薄いクシ切り) レモン汁 : 1個分(ライムなら2個分) ディジョンマスタード : 大匙山盛2 おろしニンニク : 2かけ分 おろし生姜 : 1かけ分 パセリ : 生なら粗みじん片手分 ナツメグ : 少々 砂糖 : 大匙3〜 塩コショウ : 適宜 調理オイル : 適宜 固形ブイヨン* (好みで)
作り方
①マスタード・レモン汁・生姜・ニンニク・パセリ・コショウ・ナツメグを混ぜ合わせ、マリネペーストを作る。
②マリネ液の半分強で鶏肉を、残り分でクシ切り玉ねぎを、それぞれ30分ほどマリネする。
③フライパンに油をひく。マリネした鶏は皮を下にして入れ、焦がさないようにしっかり焼きつけ、皿にあげておく。
④鶏を焼いたフライパンでマリネした玉ねぎを弱火で炒める。
⑤玉ねぎが緩んだら鶏肉を戻し入れ、砂糖、好みでブイヨンを投入。
⑦焦げつかないように水や料理酒を足して濃度を調節し、35分ほど弱火で煮込む。肉が煮えたら塩コショウで味を整える。白米かクスクスを添えていただく。
ポイント *鶏肉は骨なしでもいいけど、骨つきの方が美味しい。 *アフリカ料理はキューブブイヨンをしっかり使う傾向がありますが、お好みで。キューブ無しの場合は、鶏皮から味油を引き出し、マスタードや砂糖をしっかり量を使って、煮詰め気味にするのがポイント。関西風すき焼きを作る感じです。キューブ入れるなら鶏皮や砂糖を減らして、カロリーカットを安心してねらえます。
玉ねぎと鶏肉をマリネ中… 美味しくなあれ♪
紹介したレシピはプレヤサの基本形です。レシピは家庭により若干異なります。オリーヴ入れてみたり、唐辛子パウダー入れてみたり、みなさんも自分の好みのレシピを模索してみてください。