みなさん、こんにちは。今回はフランス羊チーズ「トム・ド・ブルビ・ピレネー」の中の有名選手『オッソ・イラティ』です。
このチーズは、羊ミルクの濃いコクと柔らかい甘さ、口当たりのしっかりした重さが特徴です。
ここから羊チーズファンになってしまうくらい、クセになる美味しいチーズです。
Table des matière
産地と歴史
羊のセミハードチーズ『トム・ド・ブルビ』の歴史は古く、1世紀にはすでに作られていたそう。「ピレネー地方で作られていた」という歴史がはっきりするのが15世紀。ずいぶん長い歴史のあるチーズです。
ピレネーのトム・ド・ブルビのひとつである『オッソ・イラティ』は、フランスとスペインの国境近くペイ・バスクとベアルンと呼ばれる地域で生産されます。「オッソ」とはベアルンにある渓谷の名前、「イラティ」はペイ・バスクにある森林の名前です。
1980年にはAOC、1996年にはAOPを取得しています。つまり品質においてもブランドとしても、しっかり認められているチーズというわけです。
『AOP = Appellation d’Origine Protégée』EU認証の原産地呼称を保護する制度。
何のミルクから?どんなチーズ?
ベアルンとペイバスクで飼育されている羊の生乳・低温殺菌乳からつくられるセミハードチーズ。外側の皮は黄色・オレンジ・グレーと熟成により様々です。80日から120日の熟成を経ます。
味は?
しっかりした羊ミルクのコクと甘みがあり、生地の密度もしっかりしていて、口の中でも重みがあります。
耐えられない様なクセはないので、食べやすい部類に入るチーズですが、他のピレネーのブルビチーズに比べると、人によっては臭い (ミルクのクセ) が強いと感じるかもしれません。
どのチーズにも言えることですが、同じメーカーの「オッソ・イラティ」でも、買う時によって味や風味が違ってくることがあります。オッソ・イラティの美味しいのに当たれば、バランスがとれていて本当に美味しいですが、まれに動物臭がキツイなと感じるモノに当たるときもあります。
食べ方としては、黒ベリージャムやクルミパンと一緒に食べると美味しい、とよく勧められます。確かにジャムとチーズは良く合います。ジャムも、コレでないとダメということもないので、自分で色々試してみて、好きな組み合わせを発見するのも面白いですよ。
おまけ
『オッソ・イラティ』のホール状では、製造タイプを見分けることができるようです。
特定の「オッソ・イラティ」製造メーカーで生産されたチーズは、チーズホールの上面に羊の横顔がスタンプされています。メーカーが羊乳業者からミルクを買い取って自社で製造するパターン。よって低温殺菌されたミルクを使ったりします。
それに対し、羊農家が生産するタイプ。つまり1箇所の決まった羊の群れから採る生ミルクで製造されるチーズです。このチーズホールの上面には、羊の正面からの顔がスタンプされます。
とりわけ、夏の放牧期間中に山で製造されたチーズは『オッソ・イラティ・デスティヴ』と呼ばれ、チーズホールの上面に、羊の正面顔のスタンプと夏の山を表す三角形とエーデルワイスのスタンプが入ります。
おわりに
『オッソ・イラティ』を見つけたら食べてみてください。チーズ好きはもちろん、まあチーズ好きという人でも、羊のチーズのコクってこんなに美味しいのか!と一発でとりこになると思います。
買って持って帰る途中、チーズが汗かくと味が変わってしまうので、夏場の暑い時期の持ち帰りには気をつけてね。