映画【大追跡】仏コメディ最強デュオ!ブールヴィルとドフュネス

 

監督ウーリー、ブールヴィル、ド・フュネスの黄金トリオ。同トリオの次作『大進撃』よりは若干出来が劣るものの、フランスでは人気の作品です。

フランスの昔の映画って、気取ってなくて、観やすく面白い作品が本当に沢山あります。だけど、現在では日本語版が入手し辛い状況になっていたり、ハナっから日本語訳されてなかったりする作品が多いのが残念でならないです。

この作品も、英語やフランス語がちょっとでも出来るなら、勉強がてらにでも観て欲しい作品のひとつです。

『大追跡』

原題          Le Corniaud
監督/脚本 ジェラール・ウーリー
出演         ブールヴィル 
           ルイ・ド・フュネス

上映時間 105分
公開年  1965年
ジャンル コメディ
スポンサーリンク

あらすじ

マレシャル(ブールヴィル)はシトロエン2CVに乗って、パリからヴァカンスに出かける。少し走ったところで、輸出業会社社長のサロヤン(ド・フュネス)のベントレーにぶつけられ、シトロエンは大破。

サロヤンは事故の詫びにと、ナポリに陸揚げされるキャデラックを使って、ボルドーまでのヴァカンスをマレシャルに贈ることを提案。しかし実は、サロヤンはギャングのボス。そのキャデラックには密輸の金、麻薬、ダイヤが車体に隠されていた。

サロヤン一味の乗ったミドリ色の車と、イタリアマフィアの赤色の車が、何も知らずルンルンで白色のキャデラックを走らすマレシャルの後を追いかける。

感想

傑作『大進撃』の前年に制作された同監督ウーリーの作品。

ブールヴィルはいつものナイーブさはなく、オープンカーに乗って女の子を連れ回すイキな役回り。それに対しド・フュネスは、いつもの大振りなジェスチャーが控えめ。ド・フュネスはソロだと、演技振りが鼻につくことがあるのですが、ブールヴィルと組んでいる時はその派手さがいい具合に抑えられています。ほんと、いいコンビです。特に本作ブールヴィルの演技は安定していて良いです。

 

この作品は次作『大進撃』に比べると、まだまだ詰めの甘い出来だと思います。スケッチの面白さに、かなりバラツキがあります。ド・フュネスの筋肉披露の場面など、思いっきり笑えるのもあれば、古いなあ…というスケッチも。

そのギャグの温度差が結構はげしく、シラけるスケッチに出会うと、自分の中で急激にテンションが下がるのが感じられてしまいました。その点『大進撃』の方が、セナリオも含め完成度は高いです。笑いの温度差だけでなく、進展のテンポが緩い箇所があるので、人によっては古さを感じ退屈するかも。

でも本作の映像はとても綺麗です。イタリアの風景や南仏の陽気さが身近に感じられて、観ていて心地よいです。

作品の知名度上、1回は観ておいても損ではない映画です。

おまけ

有名なオマケです。この映画には名物シーンなるものがいくつかあります。

その中のひとつ。ブールヴィルの車2CVが大破する場面。この2CVは、ボタンを押したらバラバラになるように改造されていました。250パーツに分けた車体をボルトでつなぎ合わせ、そのすべてのボルトはバンパーに設置された250のボタンと連動していました。ブールヴィルはこのボタンを押すように車を障害物にぶつけたのです。監督ウーリーもこの場面の撮影には緊張していたらしく、シーン自体は作品の冒頭ですが、実際には一番最後に撮影されました。

そして、このバラバラになった車からハンドルだけ持って出て来たブールヴィルが放った超名セリフ。

“Maintenant, elle va marcher beaucoup moins bien forcément !”『あ〜あ、この車、こんななっちゃもう前ほどは走らないだろうな〜』

バラバラの鉄くずになってしまい、もう走らないに決まってるのにこの呑気なセリフ。これは台本にないブールヴィルのアドリブでした。