仏映画【太陽がいっぱい】美しい不朽の名作サスペンス

みなさん、こんにちは。

今日は仏映画【太陽がいっぱい】の紹介です。

 

日本でも昔から、テレビで何度となく放映されてきた人気作品。

私のフランス映画鑑賞の第1号でもあり、例にもれずアラン・ドロンの美しさに虜になった作品でもあります。

あまりに有名なので、レビューも、まあいいか〜と先延ばしてきたのですが、もうココらへんで紹介しておこうと思います。

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作品情報

【太陽がいっぱい】

原題 « Plein Soleil »
監督 ルネ・クレマン
出演 アラン・ドロン
   マリー・ラフォレ
   モーリス・ロネ
音楽 ニノ・ロータ
公開年  1960年
上映時間 118分
ジャンル 犯罪・サスペンス

あらすじと結末

貧しい家庭で育った青年トムは、富豪の息子フィリップをアメリカに連れ戻すよう、その父親から5000ドルの報酬で依頼される。フィリップは彼女マルジュとイタリアで優雅に遊び暮らしており、購入したヨットには彼女の名前を付け、貧困育ちのトムを小間使いにしながら、日々遊び回っていた。トムは徐々に、フィリップの富と地位を羨望するようになる。

トムとフィリップとマルジュの3人は、ヨットで海に出る。フィリップは船上でも、船の操作を知らないトムを見下し、あげくの果てマルジュと2人きりになるために、非常ボートにトムを乗せて隔離する。トムは度重なるフィリップからの仕打ちに、ついに計画を実行することを決意。

小細工をしてマルジュを下船させた後、ヨットを沖に出してフィリップを殺害。遺体を布とロープで包んで海に沈める。そして、フィリップのパスポートを偽造し、彼の声色とサインを使い、マルジュに手紙を書き、周囲にはフィリップがまだ生きているように見せかける。

(以下結末バレ)

そんな折トムは、フィリップの親友フレディが真相に気付いたため、彼を殺害する。そのフレディの遺体が発見され、警察が捜査を始める。トムは、フィリップがフレディ殺害の犯人で、罪の意識から自殺した様に工作する。気弱るマルジュを支え続け、ついに彼女と恋仲に。富もマルジュも手に入れたトムは、幸せにひたる日々を送る。

ある日、例のヨットが売りに出された。ヨットが陸揚げされたとき、船のスクリューに1本のロープが絡んでいる。そのロープの先には、布に包まれた遺体が一緒に上ってきたのだった。

感想

サスペンス物って再鑑賞する気が起きない作品が多いのですが、これは別。毎回ドキドキするし、何回観ても情景の美しさに酔いしれます。もう60年も前の作品なのに、古臭くないのです。イタリアの海岸沿いの街並みはもちろん、ヨット好きの監督ならではの迫力ある海上シーンなど、地中海の光あふれる情景を観ていると、まるで白昼夢を見ているかのような感覚になります。

ドロン24歳。厳しい幼少年期を過ごしてきたトゲ感と、役者経験の浅さからくるギコチなさが感じられますが、それがまた新鮮で、トム役に合っていたと思います。そんな彼のギラギラした感じが、当時20歳だったマリー・ラフォレは苦手だったのかも知れませんね。彼女はドロンを嫌ったそうです。

富豪の息子フィリップを演じるロネは、観ていて非常に憎ったらしいドラ息子を好演。ドロンもあまりに憎かったのか(?)、後の映画『太陽が知っている』で、またしてもロネを殺害 (する役) します。

ちなみに原題の Plein soleil は ”ギラギラな太陽” のように雲ひとつない、何にも遮られていない太陽、といった意味。比喩的な意味では ”事が明るみに出る” というイメージがあり、それを考えると、和名の「太陽がいっぱい」は面白い表現だと思います。何個も太陽があるようにも聞こえますが、それよりも、太陽光がガンガンに照りそそぐ灼熱感や、結局悪事はバレる比喩感がうまく出ています。当時のことだから下手したら ”大太陽” みたいな訳になっていたかも知れないと思うと、なかなか洒落た邦題をつけてくれたと感じます。

画面はいつも地中海の太陽が眩しく輝いており、その白い輝きと、人間の黒い部分を対照的に描きます。フィリップ殺害後のヨットが入港する時、港にいた老人が「不吉だ」と呟く場面や、ラストの電話を取りに席を立ったトムの背後で、沖に停泊したヨットが黒い帆を上げる場面など、太陽の輝く平和さを背景に、ギョッとするような不気味な要素を配置してあるのがとても印象的でした。

情景、音楽、役者、ストーリー、すべてがバランス良くまとまった、美しい作品です。

おまけ

ロミー・シュナイダーがエキストラ出演しているのを見つけましたか?作品冒頭のカフェテリアの場面で、フレディの連れとして赤い服着て登場します。かわいい!

参考参照
Vogue « Plein Soleil » ce qu’il faut savoir sur le film culte avec Alan Delon et Marie Laforêt
Allo Ciné Plein Soleil : les secrets du tournage