フランス映画といえばコレ?なヌーヴェルヴァーグ監督のひとり、
エリック・ロメールの作品【海辺のポリーヌ】の感想です。
みなさん、こんにちは。
10年くらい前に【満月の夜】を観て以来、長いことご無沙汰していたロメール作品。
ヌーヴェルヴァーグは苦手な作品がチラホラあるので、今回もコワゴワ観始めたのですが…
さて感想はいかに。
夏の終わりの情景と、軽い恋愛ドラマにノンビリ浸る。
脱力して風情を楽しもう!系の作品です。
Table des matière
作品情報
【海辺のポリーヌ】
原題 « Pauline à la plage »
監督・脚本 エリック・ロメール
出演 アマンダ・ロングレ
シモン・ドラブロッス
アリエル・ドンバール
パスカル・グレゴリー
公開年 1983年
上映時間 94分
ジャンル ドラマ
あらすじ
15歳のポリーヌは夏の終わりを避暑地で過ごすため、離婚したての従姉マリオンと共に、車でノルマンディの海辺の街までやって来た。
そこでマリオンは、昔の恋人ピエールと偶然再会し、彼の知り合いの民俗学者アンリと恋愛関係になる。しかしピエールはまだマリオンに気があったため、このあと色々と嫉妬することになる。
まだ恋愛を深く知らないポリーヌも、ビーチで出会ったシルヴァンと徐々に近しくなる。
ある日、女好きなアンリが菓子売りの女を部屋に呼び込んでいるのを、ピエールが目撃する。アンリはマリオンに、シルヴァンの女だとでっち上げ…
そこから、彼ら彼女らの心がゆらぎ始め…
感想
とても個人的な感想です。
限られた物理的シチュエーションで、避暑地の恋愛模様を淡々と描写してるだけなので、ストーリー展開はとても平坦。スピード感はもちろんスロー。
役者陣もコレと言って特筆すべき点はなく、夏の浜辺が舞台なので、彼らはずっと単純な水着姿。
普通だったらモザイクが入るような、身体の自然体美を画面に映り込ませてあったりもします。
とにかく描写がいろんな意味で緩いので、「この感じダメだわ〜」となる人もいそうです。
とまあ、ここまでは「フランス映画って言ったら、こんな感じでしょ?」と思われそうな典型感想でした。
しかし、この映画、画面がとっても美しいのです。
夏だけど冷たそうなフランス北部の海や風、ヴァカンス終盤の気怠さが、画面からハッキリと感じ取れます。
ノスタルジックで、幼少のかすかな記憶をくすぐる様な、熱気と淋しさが混在する様な、何とも言えない独特の風情を持った映像。
神経にさわるような音楽も挿入されてないし、会話の調子や音は、耳に心地よい。
BGMに適した音楽があるように、部屋に流しっぱなしにしていてもジャマにならない映画、インテリアになるようなオシャレな映画だと感じました。
あまり多くの収穫を期待せず、デレ〜とした雰囲気に流されて、脱力して鑑賞したい作品です。