フラ語のくだけた日常会話【否定 NE の省略】と音節数の変化

フランス語の日常会話は、学校で習う文とは異なる、速くしゃべるために音節数を減らす、独特な変化があります。

そのため、ただでさえ速いフランス語が倍速になって聞こえ、知ってるはずのコトバもなぜか聞き取れないという状態になります。

会話における音節の変化は、サバイバルのためにも知っておくと良いと思うので、今日はその変化のポイントを紹介します。

それではどうぞ、ごらんください♪

会話のフラ語【変化のポイント】

できるだけ速くフラ語をしゃべるために、変化する発音ポイントは次の6点です。

①  否定の NE を省く。
②  Je/me/te/le/ce →J'/m'/t'/l'/c'
③  JE     →CH
④  TU     →T'
⑤  IL/ ILS   → i
⑥  Il y a    →Y a

これらのポイントを駆使することで、文の音節数が減り、速くしゃべる手助けになります。

上記ポイントを詳しくみてみたい方は、先へどうぞ♪

① 否定【NE】の省略

否定の « NE » は省かれ « PAS » だけになります。

もちろん、NE+QUE/ NE+PLUS/ NE+RIEN/ NE+PERSONNE/ NE+AUCUN における NE の省略も起こります。

 

Je n’ai pas faim.

→ J’ai pas faim.
[ʒe.pɑ.fɛ̃]
ジェパファん

 

Je ne sais pas.

→ Je sais pas.
[ʒə.se.pa]ジュセパ

 

Tu n’as que ça ?

→ T’as qu’ça ?
[ta.ksa]タクサ

que [kə][ə] も落ちてます。(次のポイント②参照)

 

②【E】が落ちる

後に子音が続く場合 « E » [ə] の音がよく抜け落ちます。とくに、

« Je/me/te/ce/le » « J’/m’/t’/c’/l’ » になってしまいます。

 

Je viens.
[ʒə.vjɛ̃ ] ジュヴィヤン

→ J’viens.
[ʒvjɛ̃ ] ジヴィヤン

 

Je te le dis.
[ʒə.tə.lə.di] ジュトゥルゥディ

J’te l’dis.
[ʃtə.ldi] シュトゥルディ

 

Ce n’est pas grave.
[sə.nɛ.pɑ.ɡʀaːv] スネパグらーヴ

→ C’pas grave.
[spɑ.ɡʀaːv] スパグらーヴ

 

③【JE】が【CH】になる

« JE » の後に « f /k /p /s /t » の子音がくる場合は « CH »  [ ʃ ] シュの音になります。

Je suis là.

→ Chuis là.
 [ʃɥ.la] シュィラ

Je ne sais pas.

→ Ché pas.
[ʃe.pa]
シェパ

④【TU】が【T’】になる

« TU » の « U » が落ちて « T’ » だけになります。

Tu n’es pas là ?

→ T’es pas là ?
[tɛ.pa.la] テパラ

 

Tu étais où ?

→ T’étais où ?
[te.tɛ.u] テテウ

 

Tu as faim ?

→ T’as faim ?
[ta.fɛ̃  ] タファン

 

⑤【IL / ILS】が【 i 】になる。

« IL» « ILS » の後に子音がくる場合、 « L » が落ちて [ i ] の音だけになります。

Il dit → i’dit  [i.di] イディ

Ils disent i’disent  [i.diz]イディーズ

 

« ILS » の « S » は後に母音が続く場合 [z] の音でリエゾンされます。

Ils arrivent.

→ i’arrivent.  [i.za.ʀiv] イザりヴ

 

⑥【IL y a】が【Y a】になる。

« Il y a » の « IL » が完全に省略されて « Y a »  [ja] ヤ だけになります。

Il y a longtemps.

→ Y a longtemps. 
[ja.lõ.tɑ̃ ]
ヤロントン

 

Il n’y a rien.

→ Y a rien. 
[ja.ʀjɛ̃ ]
ヤりヤン

 

その他

その他の音節変化を、あと2つ紹介します。

C’est toi qui as fait ça?

→ C’est toi qu’as fait ça ?

[sɛ.twa.ka.fɛ.sa]  セトワカフェサ? 
関係代名詞 « qui » が母音の前で « qu’ » になる。

 

Qu’est-ce que tu fais ?

→ Qu’est-ce tu fait ?

[kɛs.ty.fɛ] ケスチュフェ
« Qu’est-ce que » の « que » k が子音の前では飲まれて無くなる。

 

おわりに

学校では4音節で習うような文が、2音節とかになるんだから、そりゃ聞き取れないわけです。おまけにフランス人は、ただでさえしゃべるの速いですしね。。。

授業ではきちんとしたフォームで話すことを習いますが、正しい型をちゃんと理解した上で、ドンドンこの様なくだけた技を使っていいと思います。そうして慣れてゆく方が、結局は実戦で使える語学力習得の早道だと思います。基本的に、自分で口から出さないものは、使えないし聞き取りにくいです。

ぜひ、少しずつでも使ってみてね。それではまた次回♪

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