みなさん、こんにちは。今日は【音節】についてのお話を。
自分のフランス語が相手に通じない時があります。その理由として頭に浮かぶのが、文構造の不正確さと、発音の悪さです。
この「発音の悪さ」なんですが、OU とEU みたいな細かい発音の悪さは、通じない大きな原因にはならないことが多いです。意外と盲点だなと感じるのが「音節の扱い」です。
その音節について、フランス語らしくしゃべるヒントにもなると思うので、興味ある方はどうぞごらんください。
Table des matière
まず【音節】ってなに?
フランス語で音節は « syllabe » シラーブとよびます。
1音節の中には必ず、母音は1コだけ含まれています。
たとえば「政府」gouvernement という単語は、
gou ver ne ment[ɡu.vɛʀ.nə.mɑ̃ ]
4音節でできていて、各音節に母音が1コ入っています。
このように、単語や文は、音節のつながりでできています。
これを踏まえて次の「音節を意識する」とはどういうことかをみていきます。
【音節を意識】してみる。
自分のフランス語が通じないのは良くあることなのですが、とくに単語の「音節」を尊重せずに話すと、かなりの確率で相手に通じなくなります。いくつか例をあげてみます。
例えばパリの「ブローニュ」という地名。
✔︎ Boulogne [bu.lɔɲ] 2音節
これを音節を意識せずカタカナ風に読みあげると、
✖︎ ブローニュ[blɔɲ] 1音節になって聞こえてしまいます。
母音 ou が落ちてしまっているためです。
正確には「✔︎ ブゥ・ローニュ」2音節です。
次の例です。
たとえば洋風おでん料理の「ポトフ」
✔︎ Pot-au-feu [pɔ.to.fø]3音節
日本語のカタカナをそのまま読むと、
✖︎ ポ・トフ[pɔ.tof] 2音節になり、
母音 eu が落ちてしまってます。
正確には「✔︎ ポォ・トォ・フゥー」の3音節です。
さいごの例です。
ひなげし「コクリコ」
✔︎ coquelicot[kɔ.kli.ko]3音節
カタカナに惑わされると、勝手に母音を足して4音節にしてしまいます。
✖︎ コクリコ[kɔ.ku.li.ko]ではなくて、
「✔︎ コ・クリ・コォ」です。
このように音節数が変わってしまうと、フランス人には何の単語なのか、聞いても一発でピンとこなくなってしまいます。そのため、単語を覚えるときは、音節を意識して覚えることが大切になってきます。
「ウ音系」の母音が聞きとりにくい人は、耳から単語を覚える時は注意が必要です。カタカナ音が記憶にコビリついてしまっている単語にも要注意!勝手に母音を加えたり、削ったりして、音節数を変えてしまいがちです。単語の綴りを視覚的に叩き込んで、正確に覚えるのが良いです。
せっかく音節の話をしたので、アクセントについても少し触れておこうと思います。
アクセントについて。
アクセントの入る音節は、「ター」と母音が少し長めになります。その他の音節の長さ (リズム) は「タタタタ」と全て均等です。
アクセントのしかれる位置は、単語単体だと最後の音節の母音に、文だと各リズムグループ*の最後の音節の母音に入ります。(赤字がアクセント母音)
単語単体の例 : gou ver ne ment / in té re ssant /
例文をみてみます。赤字がアクセントの入る母音です。
J’ai acheté un livre.
= J’ai ache té un livre.
グループは1コ / 5音節
Tu restes à la maison et nous, on va au cinéma.
= tu restes à la mai son et nous, on va au ci né ma.
グループは3コ/ 6・2・6音節
おわりに
正しい「音節」でしゃべるのは、相手に自分のフランス語を理解してもらう為には重要なポイントです。キレイな発音でないと伝わらない!と思って「ou」や「eu」など必死に練習するのですが、「音節 =リズム」練習もおろそかにはできません。
全体の音節の流れを大切にすると、細かい発音が悪くても、意外と相手が理解しやすいフランス語になります。私が教わったフランス語の先生は「フランス語は音節が均等に刻まれていくから、それを意識して。流れる一定のリズムとイントネーションが大切」と何度も言っておられました。
頭の中である程度文が組み上がってないと、各音節を一定のリズムで落とし込むなんて難しいのですが、これを単語単位で意識するだけでも、だいぶフランス語らしくなると思います。みなさんも、音節とリズムも少し意識してみてください。学習する視点が新鮮になって、しゃべる事がぐんと面白くなりますよ。
それではまた次回♪