フランスのケーキ屋の定番アイテム、
「サントノレ」
パイ生地の土台の上には、カラメルでグラサージュされた綺麗なプチシューが並んでいて、たっぷりのふわふわクリームが盛られている。
手の込みすぎていない、単純な素材の組み合わせが、妙にクセになる美味しさ。
今日はシューケーキ「サントノレ」のお話です♪
Table des matière
フランス菓子【サントノレ】の歴史
聖人「サントノレ」の日
5月16日は聖人「サントノレ」の命日。製粉・ケーキ・パン屋の守護聖人であるとされていて、この日はそこらのブロンジュリーが特別なパンと、ケーキ「サントノレ」を用意します。
オノレは6世紀ごろにアミアンの司教を勤めた人です。彼は小さいころから聡明で、ある日乳母に「将来は司教になりたい!」と言います。
ちょうどパンを焼いていた乳母は、手に持っていたパン焼き用の木製スコップを見ながら「これに葉っぱが生えた時にゃね…」と返事をしたら、なんとスコップに葉が生えてきた!という奇跡のはなし。
サントノレが粉もんの守護聖人と言われるのも、ここから来ているのでしょう。
ケーキ「サントノレ」はパリ生まれ!
ケーキ「サントノレ」は1847年、パリのサントノレ通りにある有名ケーキ屋「シブースト」のオーギュスト・ジュリアンの作品。
つまりケーキの名前は、聖人の名前だけでなく、ケーキが誕生した通りの名前でもあります。
当初のケーキは、大きなブリオッシュにクレームパティシエ (カスタードクリーム) を詰めたもので、スポンジ状の生地がクリームを吸ってしまい、あまり長持ちしないケーキでした。
ジュリアンは、のちに自分の店を持つと、このレシピに改良を加えます。
ブリオッシュの代わりに円盤形のブリゼ生地 (タルトなどに使う生地) を土台に使い、その縁にカラメルを塗ったミニシューを並べ、中央にクレームションティイ (ホイップ生クリーム) やクレームシブースト (カスタードクリーム + 卵白メレンゲ) をたっぷり盛ったレシピに改良。
現在では、土台にパットフイユテ (パイ生地) を使うのが主流です。
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「サントノレ」はホールサイズと1人前サイズが作られています。たまにシューにカラメルがかかってないサントノレもあるけど、やっぱりカラメル有りの方が香ばしくて、断然おいしいです。
フランスでサントノレに出会ったら、ぜひ一度食べてみてね!
それではまた次回♪
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