私は勝手にフランスの節分と呼んでますが、
クレープを食べる日、
【ラ・シャンドラー】La Chandeleur のお話です。
クレープを食べる、フランスの節分
ここ数週間、朝晩の冷え込みが強く、毎朝霜が降りては、庭の芝生はカチコチに凍っています。
でも、もう2月。
どん曇りの合間に見えるパリの日差しにも、明らかに春の気配が感じられます。
日本人にとって春到来の行事といえば、節分。節分といえば、恵方巻きと鰯。
鰯はともかく、恵方巻きをよそ向いて黙々と食べる儀式がミステリアスで、幼心に響く大好きな行事でした。
それがフランスでは、私自身「郷に入っては郷に従え」が好きなこともあり、愛すべき節分の儀式とは長らくご無沙汰。
正直、寂しくはあるのですが、でも嬉しいことに、フランスにも春のお祝いがあるのです♪
それが2月2日の【ラ・シャンドラー】です。
ラ・シャンドラー「聖燭祭」は毎年2月2日です。
元はローマ時代の行事で、ギリシャ神話のパン神を祝う「ロウソクの祭」が由来。それを5世紀にローマ教皇ゲラシウス1世によって、クリスマスから40日後にイエスがエルサレムの神殿に初めて連れて来られた日として、キリスト教行事にも取り入れられました。
この日はクレープを焼いて食べます。クレープのあの丸い形が「太陽」を意味し、太陽は「冬の終わり、春の到来」の象徴なのです。
要は、早春のお祝いなんですね。農家の慣習では、この日にクレープを焼いて食べないと、その年は小麦が不作になるとか。
よく語られる定番は、最初のクレープを焼く時に、コインを左手に握って右手でフライパン持ってクレープを何度もひっくり返し、こんがり黄金色に焼くと幸運が訪れるというもの。これを知ってからは、コインとフライパン片手に、毎年せっせとクレープひっくり返しています。
焼いたクレープですが、いろんな味付けがあります。
定番は、砂糖、蜂蜜、ジャム、バター、レモン、チョコ(ヌテラ)、バナナ、栗ペースト、ホイップクリームなどのコンビ。私はもう「砂糖+レモン」の一辺倒!
ちなみにフランスで「クレープ」というと、甘いクレープを指すのが一般的。「クレープサレ」または「ギャレット」と呼ばれるクレープは、蕎麦粉のみ、もしくは小麦粉と蕎麦粉を混ぜた生地で作られ、ハムや卵やチーズなどを挟んだ塩味系として食されます。
クレープは、焦げ付かないフライパンさえあれば自宅で簡単に作れ、味変のアイデアにも困らないとても便利なデザートです。
2月2日のおやつに、クレープはどうですか?