【ロカマドール】黒い聖母マリアに守られた千年の歴史街

 

ラスコーとパディラック洞窟の旅、第3報、

今日は、この旅行で印象に残った街「ロカマドール」を紹介します。

 

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黒い聖母マリア像と「ロカマドール」

ロカマドールはサンチアゴ・デ・コンポステーラ巡礼地のひとつで、崖っぷちに立つ街並みが印象的です。

街全体は階層構造になっており、一番底に川が流れ、1層目に民家や商店が立つ街道筋、2層目に教会エリア、最上層が城エリアです。

この街の目玉は、教会エリア。ここに、ロカマドール1千年の歴史が詰まっています。

街道筋から大階段を216段登った祈りのエリアには、6つのシャペルとバジリカ聖堂が、崖の中腹にひしめいており、1166年に埋葬されているのを偶然に発見され、ロカマドールの地名の元になった聖アマドゥールの聖遺物も、ここの聖堂に眠っています。

そして、ロカマドールを語るに外せないのが、ノートルダム礼拝堂に祀られている12世紀の黒い聖母子像です。

Image illustrative de l’article Notre-Dame de Rocamadour
Par Original téléversé par Roby sur Wikipédia français. — Transféré de fr.wikipedia à Commons par Bloody-libu utilisant CommonsHelper., CC BY-SA 3.0, Lien

写真が撮れなかったので、上の画像をwikipediaからお借りしました。フランスで黒いマリア像には意外と出会うのですが、近代的な白いマリア像に慣れていると、やはり黒い姿の佇まいには特別な空気を感じます。

今回の聖母子像は服飾さられておらず、黒い木の無骨な質感と、素朴なラインがよく見てとれます。千年近くもの間、人々の信仰を支え続けているその姿は、どこか日本の仏像にも似た風格が感じられました。

サン・ミシェル礼拝堂の外壁に描かれた12世紀のフレスコ画「受胎告知とエリザベト訪問」

ノートルダム礼拝堂の入口横にある15世紀のフレスコ画「死の舞踏」

さて黒いマリア像を見学し終えたら、名剣「デュランダル」も見ておきましょう。

英雄ロランの伝説の剣「デュランダル」

「デュランダル」は8世紀、シャルルマーニュの甥、ロランという騎士が愛用していた名剣です。

ロンスヴォーでの戦いで瀕死の状態になったロランは、デュランダルが敵の手に渡らないようにするため、剣で岩を切りつけて刃を折ろうとしました。しかし刃は折れるどころか傷ひとつ付きません。そこで彼は大天使ミカエルの力を借りて、剣を彼方に向かって投げました。すると剣は、ピレネー山脈から何百kmも飛び続け、ここロカマドールの崖に突き刺さったのです。

この伝説の剣、昨年2024年に何者かに盗まれ、2025年に新調されました。当然これまでにも何度か盗まれているそうですが、今回盗まれたものはコピーとは言え、それなりに長い歴史を持つものだったそうです。

芸術作品化した街道筋にある侵入禁止標識。この作風、あの人っぽい。

最終回は、ロカマドールから車で1時間ほどにある「コロンジュ・ラ・ルージュ」村を紹介します。

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