フランス映画【リオの男】あらすじ感想/ 軽快で感じの良いアドベンチャー作品

【リオの男】

この作品は「ベルモンドと監督ドブロカ」コンビ2本目にあたります。

監督がバンデシネ『タンタン』の大ファンだけあって、落ち着いた洒落たテンポのアドベンチャーに仕上がっています。

格好ツケだけど何処かしら滑稽なベルモンドの演技もたっぷり堪能できます。彼女役のフランソワーズ・ドルレアック (カトリーヌ・ドヌーブの姉) もとても可愛らしいですよ。

 

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作品情報

【リオの男】

原題 "LHomme de Rio"
監督    フィピップ・ド・ブロカ
脚本 ジャンポール・ラプノー

出演 ジャンポール・ベルモンド
   フランソワーズ・ドルレアック
   ジャン・セルヴェ

公開年 1964年
上映時間 110分
ジャンル アドベンチャー

あらすじとネタバレ

軍隊訓練中のアドリアン(ベルモンド)は1週間の休暇をとって、婚約者アニエス(ドルレアック)に会いにパリまでやって来た。しかしアニエスはアドリアンの目前で何者かに誘拐される。

そのころパリの人類博物館では、アマゾン古代文明の像1体が何者かによって盗まれ、その像を寄贈したカタラン教授(ジャン・セルヴェ)も誘拐される。

アドリアンは誘拐されたアニエスを追って、気づけばブラジルのリオまでやって来た(←ベルモンドらしい役…)。なんとかアニエスを救い出し、その誘拐の理由は、アニエスが昔住んでいたリオの家の庭に隠してある像にあると明かされる。

像は3体あり、1体目はカタラン教授、2体目はアニエスの亡き父、3体目はカストロ教授が所持しており、3体揃うと宝のありかが分かるというものだった。

アドリアンとアニエスが庭から2体目の像を掘り起こすも、追手に奪われてしまう。2人は像3体目を所持するブラジリアに住むカストロ教授の元へ急ぐ。道中、誘拐されていたカタラン教授を救いだし、カストロの豪邸に到着。

パーティーの最中、カタランはカストロを殺害し、3体目の像を盗む。すべてはカタランが計画したものだった。カタランは3体の像を使って洞窟の中で宝を発見するが、崩れてきた洞窟の下敷きになってしまう。

 

感想

なかなか素晴らしいアドベンチャー作品。ほとんど中だるみすることなく、超ハイスピードで話は進んでいきます。

宝のありかを指し示す像の存在、アマゾンのジャングルでクロコダイルに遭遇する場面や、木々をつたってターザンをする場面など、冒険アニメを観てるようなテンポ感です。

作品前半はリオが舞台。河畔に立つ街並みや路地裏では、生きたラテンの香りが画面から強く漂ってきます。クツ磨きでお金を稼いでいる少年がでてくるのですが、この子の存在がなかなか良い味出してました。

後半は舞台がブラジリアに移ります。当時はまだ都市開発中だったため、街に人影はまったく見えず、建築されたばかりの巨大な建物がいくつも見受けられるだけの、殺伐とした「無人都市」感が漂っています。

そのため前半のリオから比べると、後半は画面から伝わってくる街並みや人々の活気というものが全く感じられないのが残念なのですが、ここはベルモンドのアクション情熱でうまく乗り切っています。なかなか魅せてくれるシーンが多いです。

練りに練られたタイプのアドベンチャー作品ではないですが、ストーリー・アクション・ユーモアの点において、「アホらし…」と興ざめするような過度な表現が少ないので、最後までスルッと楽しく鑑賞できました。

今思い返せば、ベルモンド、最初から最後までずーっと走ってましたね… すごい体力です。

 

おまけ

・この『リオの男』から影響をうけ、スピルバーグはのちに『レイダース/失われたアーク』を製作することになります。

・ベルモンドはスタントマンを使わずに、自分でアクション場面を作る俳優としても有名です。当時は彼の作品が公開される度に、彼の演技よりも、彼がどんなアクションをこなしたかが話題になることが多かったそう。

この作品でも彼はほとんどのアクション場面を自分でこなしてきたのですが、唯一飛行機でのアクロバット飛行の所だけはプロのスタントで代役をたてました。ビルとビルの間にはられたロープをつたって移動する場面があるのですが、ここでは途中でロープが1本切れて、本当に宙吊りになってしまったそうです。

・アニエス役のフランソワーズ・ドルレアックはカトリーヌ・ドヌーブの姉。姉妹そろって美人です。フランソワーズはこの作品が大きく当たって、女優キャリアの大きな一歩を踏み出します。しかし数年後、自動車事故で25歳の若さで亡くなります。

妹は言うまでもない美人なのですが、個人的にはお姉ちゃんの方のファンでした。彼女の持つ何とも言えない野性感と影のある美しさが大好きだったので、本当に残念です。