みなさん、こんにちは。
今日はフランス語の「ことわざ」についてです。
日本語でもそうですが「ことわざ」は知っていると何かと便利です。
言いたいことを、的を射て瞬時に表現できるからです。
昔の言い回しなんて古くさい感じがして、ちょっと敬遠しがちかもしれませんが、文から学べることも色々ありフランス語の勉強にもなります。
覚えることは決して無駄ではありません。
今回は数あるフランス語のことわざの中から、特に有名なことわざをピックアップしました。
それではどうぞ、ごらんください♪
フランス語のことわざ
フランス語文の長さ順に並べてあります。
Tel père, tel fils.
この父にしてこの息子。
C’est mieux que rien.
ないよりまし。
Mieux「〜より良い」 bien の比較級
「〜より良くない」は moins bien
À chacun son métier.
各人にそれぞれの仕事
=他人に口ださず、各人が自分に専念した方が、全て上手くゆく。
L’amour est aveugle.
愛は盲目。
L’occasion fait le larron.
チャンスが盗人をつくる
=魔がさせば人は盗人。
Loin des yeux, loin du cœur.
視界から遠のけば、心からも遠のく
=去る者日々に疎し。
L’habit ne fait pas le moine.
服装が修道士をつくるのではない
=人は見かけによらない。
Bien mal acquis ne profite jamais.
不正に得た財は決して得にはならない
=悪銭身につかず。
Les absents ont toujours tort.
欠席者はいつも悪者。
avoir tort「が間違っている/が悪い」
L’appétit vient en mangeant.
食べれば食欲はわいてくる
=始めればやる気が出て先に進みたくなるものだ。
en mangeant = EN + 現在分詞 V+ant
「〜しつつ」を表す。(ジェロンディフ)
Qui ne risque rien n’a rien.
危険を冒さない者は何も得ない
=虎穴に入らずんば虎子を得ず。
Qui se ressemble s’assemble.
似た者は集まる
=類は友を呼ぶ。
Mieux vaut tard que jamais.
やらないよりは、遅くてもやる方が価値がある。
Dans le doute, abstiens-toi.
疑いがある内は、行動を差し控えろ。
se abstenir de + n/inf 「〜を節制する」
Chacun voit midi à sa porte.
各人それぞれのドアから正午を確認する
=各々が個人の視点から物事を判断していることのたとえ。
Faire d’une pierre deux coups.
ひとつの石で2発当てる
=一石二鳥
On a fait d’une pierre deux coups !
「 一石二鳥だったね!」
Il n’y a pas de fumée sans feu.
火なくして煙はない
=火のないところに煙はたたぬ。
Qui vole un œuf, vole un bœuf.
一個の卵を盗む者は牛をも盗む
=嘘つきは泥棒の始まり。
Tout ce qui brille n’est pas or.
光るものが必ずしも金ではない
=見た目を信用して真実を見誤るな。
tout ce qui「 〜なモノすべて」
Tel est pris qui croyait prendre.
騙したと思っていたら騙されてた
=ミイラ取りがミイラになる。
tel = 不定代名詞「ある人」
関係代名詞 qui の先行詞になっている。
Le vin est tiré, il faut le boire.
栓を抜かれたワインは飲まなきゃだめ
=いちど始めたら最後までやれ
=乗り掛かった船。
Chat échaudé craint l’eau froide.
お湯でヤケドしたネコは冷水も怖がる
=一度傷つけられたら、それに似てるだけで怖がる。
Pas de nouvelles, bonnes nouvelles.
便りのないのは良い便り。
Chacun pour soi et Dieu pour tous.
各人は自分のために、神はみんなのために
= 他人に構うな。
Péché avoué est à demi pardonné.
告白された罪は半ば許されたもの
=間違いは告白する方が早く許してもらえる。
Qui trop se hâte reste en chemin.
急ぐ者ほどその道に留まる
=急ぎすぎは目標を達成できない
=急いては事を仕損じる。
Toute vérité n’est pas bonne à dire.
真実すべてを口にすべからず。
Les bons comptes font les bons amis.
良い勘定が良い友達をつくる
=勘定のけじめは友情のかなめ。
L’oisiveté est mère de tous les vices.
怠惰はすべての悪徳の母
=小人閑居して不善をなす。
La vérité sort de la bouche des enfants.
真実は子供の口からもれる。
C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
鉄を鍛えることで鍛冶屋になる
=経験は時間とともに自分のものとなる
=習うより慣れろ。
en forgeant (ジェロンディフ) = forger 鉄を鍛える
Les cordonniers sont les plus mal chaussés.
靴屋がいちばん汚い靴をはいてる
=他人のに忙しく、自分のは疎かにしてる
=紺屋の白袴。
Les plus mal chaussés = mal chaussées の最上級。
être chaussé = 履いている状態をいう
Quand on parle du loup, on en voit la queue.
狼の話をすると、そのシッポがみえる
=ウワサをすれば影。
parler de〜「について話す」
Les petits ruisseaux font les grandes rivières.
小さい川が大河をつくる
=チリも積もれば山となる。
On ne fait pas d’omelette sans casser d’œufs.
卵を割らずしてオムレツは作れない
=苦労なくして成果は得られない。
Quand le chat n’est pas là, les souris dansent.
ネコがいない時、ネズミは踊る
=鬼のいぬ間に洗濯。
Entre l’arbre et l’écorce il ne faut pas y mettre le doigt.
木と樹皮の間に指をつっ込むな
=いざこざに首をつっこむな。
y は反復をさけて場所を表す。
ここでは「木と樹皮の間」を指す。
Il faut tourner sept fois sa langue dans sa bouche avant de parler.
しゃべる前に口の中で舌を7回まわせ
=口に出す前に一旦よく考えろ。
Il faut + inf「〜しなければならない」
おわりに
日本語ではこう言うけど、フランス語ではこう表現するのか!という面白い発見が、外国語のことわざを知る醍醐味だと思います。
ピックアップした諺が結構な数になってしまいましたが、短い文のものや、自分の好きな文をまず1つ覚えてみてください。何かの折にふと使えて重宝しますよ。
それではまた次回♪