みなさん、こんにちは。
今日はフランス語で「〜しやすい」「~するのは難しい」という表現についてです。
フラ語でこれを表現するには【C’est 形容詞 à/de】または【Il est 形容詞 à/de】という型をつかいます。
「C’est」「Il est」どっち?
前置詞は「à」「de」どっち?
使い方がスッキリと理解できない、でもとても使うことの多い、この表現について見てみます。
それではどうぞ、ごらんください♪
Table des matière
【 Il est /C’est 形容詞 à /de 】
【 主語 être 形容詞 à 】
まずは、構文の形から見てみましょ。
「この本よみにくいね」「このシャンソン聴き心地いいね」「車を運転するのはカンタンだよ」「この問題とくのは難しいなあ」といった文をつくるとき、
①【Il est /C’est 形容詞 à/de 〜】非人称 IL を仮主語に置く文
②【 主語 être 形容詞 à】人称主語をちゃんと置く文
上記2つのタイプで表現できます。
この表現につかう形容詞は、たとえば次のようなものです。
facile, difficile, simple, compliqué, intéressant, amusant, agréable, important…
簡単・難しい・単純・ややこしい・興味深い・楽しい・心地よい・大事…
まずは、前置詞「à と de」の使い分け、つぎに「C’est と Il est」の使い分けの順で見ていきます。
前置詞【à】と【de】
前置詞「à」か「de」かの使い分けは、先ほどの構文のタイプで決まります。その構文は2通りありましたね。
① 非人称 IL を仮主語に置いた文
② 人称主語をちゃんと置いた文
そして前置詞「à」か「de」かの決め手は、
構文①の場合は「de」
構文②の場合は「à」
となります。
例文を見てみましょ。
① Il est difficile de lire ce livre.
「この本を読むの難しいよ」
非人称仮主語 IL の内容は de 以下の lire ce livre「この本をよむ」
② Ce livre est difficile à lire.
= Il est difficile à lire, ce livre. (話)
「この本は読むの難しいなあ」
ce livre が主語になってるので à を使います。IL = ce livre。
un livre difficile à lire で「読むのが難しい本」
① Il est agréable d’écouter cette chanson.
「この歌を聴くのは心地いいね」
非人称仮主語 IL の内容は de 以下「この歌を聴く」
② Cette chanson est agréable à écouter.
= Elle est agréable à écouter, cette chanson. (話)
「この歌は聴き心地がいいね」
cette chanson が主語なので à を使います。
Elle = cette chanson
une chanson agréable à écouter 「聴き心地のよい歌」
つぎに ①非人称構文の【Il est】と【C’est】との置き換えについて見てみましょ。
【C’est】と【Il est】
I. 非人称【IL】を【CE】に置きかえる場合。
文型①非人称 IL 仮主語をつかった文は、 会話では「C’est」に置きかえる ことが多いです。
書き言葉や改まった場面では非人称 IL を好みます。
① Il est facile de lire ce livre.
= C’est facile de lire ce livre.
「この本を読むのは簡単だよ」
① Il est difficile de trouver un travail.
= C’est difficile de trouver un travail.
「仕事を見つけるのはむつかしいねえ」
II. 【CE】で何かを指す場合。
文型 ① 非人称 IL の文は「会話では C’est に置き換わる」という事を先ほど見ました。
しかし C’est の役割はそれだけではなく、前文や状況などを広く指す 場合があります。
その場合「文型②の主語が Ceに置きかわっているだけ」ととれるため、前置詞は à になります。
これは中性代名詞 Ce の使い方を理解していることが大切になってきます。
例文の方が分かりやすいので、ちょっと見てみましょ。
– Comment savoir si on est amoureux ?
– C’est difficile à expliquer…
「愛し合ってるか、どうしたら分かるの?」
「そりゃ説明しにくいなあ…」
質問文の意味全体が、CEに置きかわった文型②です。
– C’est difficile de repriser une chaussette ?
-Non. C’est facile à faire.
「靴下をつくろうのって難しい?」
「いや、簡単にできるよ」
前文の ce は非人称 IL が会話で Ce に置きかわったもの。後文の Ce は前文の repriser une chaussette を受けています。
Ma femme veut me quitter. C’est très dur à accepter.
「うちの嫁、俺と別れたがってるんだ。受け入れるのが辛いよ」
Ce は前文の意味全体を受けています。
まとめ 「前置詞 à /de」は 文の主語が非人称か、ちゃんとした人称主語かどうか で決まります。 「C'est」をつかうのは、非人称 IL を CE に置きかえた会話スタイルと、CE で前文や状況などを指した場合 です。
以上が、今日のお題でした。
さいごに、もう少しこの表現を掘り下げたい方、元気のある方は、つぎの項目「ちょっと注意点」へどうぞ♪
ちょっと注意点。
例えば、「この質問、答えるのムツカシイよね」という意味の文を作ってみます。
répondre A à B「BにAと答える」なので、
① ✔︎ Il est (C’est) difficile de répondre à cette question.
これで「この質問に答えるのは難しい」という意味の文ができます。この文は OK。
次に cette question を主語にした前置詞 à で作ってみると…
② ✖︎ Cette question est difficile à répondre.
… 何かヘンです。
そう répondre à cette question の à が消えてしまってます。
Cette question は動詞 répondre の間接目的語であるため、この文型②は成立しません。つまり文型②は、主語が「à」の後にくる動詞の直接目的語 である必要があります。「受け身」の発想に近くなりますね。
もう1つ別の例でみてみます。
「このボールペン、書きやすいな」という意味の文をつくってみます。
écrire avec un stylo「ペンで書く」なので、
① ✔︎ Il est (C’est) agréable d’écrire avec ce stylo.
これで「このペンで書くのは心地よい」という文ができます。これは OK。
つぎに ce stylo を主語にして à で文をつくると…
② ✖︎ Ce stylo est agréable à écrire. (un stylo agréable à écrire)
「このペンは書き心地がいい。(書きやすいペン)」としたいトコですが NG ですね。先にのべたように stylo は動詞 écrire の直接目的語ではないからです。
なので別につかえそうな表現をさがしてみると… たとえば、
✔︎ Ce stylo est agréable pour écrire.
✔︎ Ce stylo est agréable à utiliser.
このように発想を変えて、違う動詞や前置詞をつかうことで表現できますね。
おわりに
à か de かは、主語が非人称かどうかで判断すればいいので、そこを理解すれば OK。意外とウットしいのが「C’est…à…」の文ですね。これは中性代名詞 Ce の基本を理解できているかが大切になってきます。でもまあ、あまりルールに囚われすぎずに、どんどん使ってみてください。
それではまた次回♪