フランス語の日常会話では「On」という代名詞を主語によく使います。
今回はこの「On」の働きと使い方について、例文とともに見ていきます。
代名詞【ON】3つの役割
① この「On」には大きく分けて2つの役割があります。
1つ目は、不定代名詞として「不特定の人」をさす使い方。
2つ目は、人称代名詞として「私たち = Nous」の代わりにする使い方。
②「On」は IL と同じく « 3人称単数 » あつかいです。
③ « et/ ou/ où/ que/ qui/ si » の後では、発音を潤滑にするために « l’on » を使うことがあります。
それではもう少し詳しくみてみましょ。
不定代名詞【ON=不特定の人】
この場合の On は、不特定の人「みんな・人々・人」「誰か」を表します。
On parle fort ici.
ここではみんな大きな声でしゃべるからね。
En France, on dîne à 20h.
フランスでは、8時に夕食だよ。
On fait ce qu’on peux.
みんな、自分ができることをするんだ。
On m’a volé mon sac.
カバン盗まれたよ。(on=誰か/ 誰かがカバンを盗んだ)
On te cherche.
誰かが君をさがしてるよ。(on = 誰か)
人称代名詞【On=私たち】
・会話では「Nous」の代わりに「On」を頻繁に使用します。
・くだけた用法なので、きっちりした文書では「Nous」を使用します。
・動詞が「être」の場合、主語 On の指す内容を明確にするために、形容詞/ 過去分詞を、主語の性数に一致させます。
Qu’est ce qu’on mange ce soir ?
今夜は何たべる? (on=私たち)
Toi, tu restes à la maison et nous, on va au cinéma.
君は家でお留守番、ぼくたちは映画に行ってくる。(on = 私たち)
On n’a pas vu le temps passer !
時間が経つの早かったねえ。(私たちは時間が過ぎるのを見なかった)
On t’aime beaucoup.
私たち、あなたのこと好きよ。(on = 私も含めたみんな)
Avec Anaïs, on est allées au restaurant.
アナイスと一緒に、私たちレストランに行ったよ。 (On = 私(たち)♀とアナイス)(過去分詞は主語の真意に性数一致)
Tu ne crois pas qu’on soit perdus ?
僕たち、道に迷ってると思わない?(on = 私たち) (過去分詞が主語の真意に性数一致)
On est tous égaux.
僕たちみんな平等さ。(on = 自分を含めたみんな) (平等な égal(e)/égaux pl.)
おわりに
くだけた日常会話では「Nous」でなく「On」を主に使います。
もちろん「Nous」を日常会話で使っても構いません。あまりにみんな On を使うため、たまに Nous を使っている人に出会うと「あ、言葉に気を使ってしゃべる人なんだな」という新鮮な印象を受けるくらいです。
ですが On は Nous にくらべ、動詞の活用がラクという利点があります。
会話において、「Nous」の活用でつまって喋れなくなってしまうことがあるなら、「On」をどんどん積極的に使ってコミュニケーションを広げていくのも楽しいものです。