フラ語【間接話法】の作り方

みなさん、こんにちは。

今日はフラ語の文法【間接話法】についてです。

 

直接話法は発話文が « » で書かれている文、間接話法は従属節を伴う文ですね。

 

少し注意が必要なのは「間接話法」を使うとき。

 « 発話文 » を節に変えたり、人称や時制を調整する必要があります。

今日はその「間接話法」の大切な点をまとめます。

 

ちょいボリュームがあるので、

お菓子でも用意して、少しずつごらんください♪

 

はじめに

直接話法?間接話法?

さっと話法の確認です。

直接話法

直接話法は、発話文がそのまま «  » で書き出されています。

– Il a dit : « Je vais bien. »

– 彼は言った。「僕は元気だよ」

 

間接話法

間接話法は « 発話 » 内容を、que などで伝達動詞と直につないだ文です。

– Il m’a dit qu’il allait bien.

– 彼は元気だと私に言った。

Il m'a dit の部分が「主節」

qu'il allait bien の部分が「従属節」

 

この間接話法ですが、大切なポイントがいくつかあります。

 

① 従属節内の「人称」「時制」は主節に適応させる。

② « 平除文 » « 疑問文 » « 命令文 » をそれぞれ節に書き換える。

 

さてさて、どういう事か。

今から ① ② の順に、ゆっくり観察していきます。

① 主節と従属節の【人称】と【時制】の一致

【人称】の一致

間接話法では、全ての人称を、主節の主語に適応させます。

 

Elle lui dit : « Tu es beau. »

→ Elle lui dit qu’il est beau. 

– 彼女は彼に言う。「君、カッコいいね」
→彼女は彼に、カッコいいと言う。

 

Elle me demande : « Tu viens chez moi ? »

→ Elle me demande si je viens chez elle.

– 彼女は私に「うちに来る?」と訊ねる。
→彼女は私に、彼女の家に来るかどうかを訊ねる。

 

このように、間接話法では「人称」の方向を、主節にしっかり揃えます。

 

つぎは【時制】の一致についてです。

 

【時制】の一致

間接話法では、従属節の時制を、主節の時制に適応させます。

 

ちょっと比較です。たとえば、

Il dit : « Je vais chez ma mère. »

→ Il dit qu’il va chez sa mère.

 

このように主節が現在形なら、 « 発話 » も同じ現在の産物なので、従属節の時制を調整する必要はありません。

ところが、

 

Il a dit : « Je vais chez ma mère. »

→ Il a dit qu’il allait chez sa mère.

 

この例では « 現在形 » だった発話を、間接話法では「半過去」に変えています。

主節の時制が過去なら、当然 « 発話 » も過去の産物。

従属節で表記する際は、時制をひとつ「古く」して、主節に適応させます。これが時制の一致です。

 

この「時制をひとつ古くする」ですが、次のように鮮度を落とします。

現在形

半過去

複合過去

大過去

単純未来

条件法現在

前未来

条件法過去

半過去
大過去
条件法
接続法

 

 

そのまま

いまいちピンと来ないと思うので、もう少し表をどうぞ。

 

下の表は「現在」視点の間接話法と「過去」視点の間接話法の比較です。

従属節の時制が、先ほどの表のような関係になっているのが分かると思います。

Elle dit …

Elle a dit …

qu’il est arrivé.

qu’il était arrivé.

qu’il vient d’arriver.

qu’il venait d’arriver

qu’il est là.

qu’il était là.

qu’il va partir.

qu’il allait partir.

qu’il sera là.

qu’il serait là.

qu’il sera arrivé.

qu’il serait arrivé.

qu’il faudrait que je parte.

qu’il faudrait que je parte.

過去の出来事を話すとき、つまり主節の視点が「現在→過去」にずれると、従属節の時制も一緒にずれ込むのですね。

 

つぎは【時を表す補語】について少し。

 

過去における【時の補語】

「時」を表す補語も、それぞれの状況にそぐった表現を使います。

たとえば、

 

10日前にポールが、

« Demain, j’irai chez le médecin. » と言ってたのを思い出しつつ…

– Tu sais comment va Paul ? 

– Il n’est pas bien. Quand je l’ai vu il y a dix jours, il a dit qu’il irait chez le médecin le lendemain.

 

– ポール、元気にやってるか知ってる?
– 彼、調子悪くてさ。10日前に会ったときは、翌日医者に行くと言ってたよ。

 

demain でなく le lendemain を使っています。過去時点での明日は「翌日」だからですね。

 

その他にも、下の表のような表現があります。

現在視点

過去視点

 

aujourd’hui 

ce jour-là

あの日

ce matin

ce matin-là

あの朝

hier

la veille

前日

avant-hier

l’avant-veille

前々日

il y a un an

un an avant/ plus tôt

その1年前

lundi dernière 

le lundi précédent 

その前の月曜日

demain (matin)

le lendemain (matin)

翌日

après-demain 

le surlendemain 

翌々日

dans un an

un an après/ plus tard

その1年後

lundi prochain 

le lundi suivant

その次の月曜日

ici

そこ

 

ちょっと補足 

現在視点と過去視点の「時の表現」を見てきました。

しかし、日常では「今現在と関連したまま」で過去を語る場面もあります。その場合は、表現を書き換える必要はありません。

たとえば…

 

友人ポールの話になり、

– Comment va Paul ?

– Il va très bien. Il m’a dit qu’il allait se marier le mois prochain.

– ポールはどうだい?
– 彼は元気だよ。来月結婚すると言ってたよ。

 

ここでの「来月」はまだ来てないので、そのままにしてあります。

 

もうひとつ例です。

 Paul est déjà parti en vacances ?

– Non, je ne pense pas. Il m’a dit hier qu’il partirait demain. 

– ポールはもうバカンスに出発したかな?
– いや、まだだと思う。明日出発するって、昨日は言ってたから。

 

このように、今現在と関連した状態なら、時を表す補語はそのままです。

 

以上が【人称と時制の一致】についてでした。

 

② «平除文» «疑問文» «命令文» を間接話法へ

それでは、文のタイプごとに、従属節への書き換えをみていきます。

« 平除文 » の場合

発話文が « 平叙文 » の場合は que を使って節にします。

 

Il a dit : « Je suis à la maison. »

→ Il a dit qu’il était à la maison.

 

 動詞 dire の他にも、従属節をとれる動詞は色々あります。

ajouter/ annoncer/ apprendre/ avouer/ confirmer/déclarer/ dire/ expliquer/ prévenir/ promettre/ raconter/ répondre…

 

« 疑問文 » の場合

【疑問詞あり】【疑問詞なし】それぞれ見ていきます。

【疑問詞なし】の場合

Oui/ Nonで答える疑問文の場合は、 si 「〜かどうか」でつなげます。

そして節内の要素は、平除文の順番に並べます。

 

Il m’a demandé : « Est-ce que tu aimes le fromage ? »

→ Il m’a demandé si j’aimais le fromage.

 

【疑問詞あり】の場合

その疑問詞で節をつなげます。

そして節内の要素は、平除文の順番に並べます。

 

Il me demande : «  es-tu ? »

→ Il me demande je suis.

 

Il me demande : « Pourquoi tu as fait ça ? »

→ Il me demande pourquoi j’ai fait ça.

 

Il m’a demandé : « Qui est-ce ? »

→ Il m’a demandé qui c’était.

 

 ちょっと注意!

「物事」を訊ねる疑問詞は、

Qu’est-ce que/ que/ quoi → ce que
Qu’est-ce qui → ce qui

に変化します。

Il m’a demandé : « Qu’est-ce que tu manges ? »

→ Il m’a demandé ce que je mangeais.

 

Il me demande : « Qu’est-ce qui se passe ? »

→ Il me demande ce qui se passe.

 

 動詞 demander の他にもこんな動詞があります。

comprendre/ dire/ savoir/ s’informer/ se renseigner…

 

« 命令文 » の場合

命令文の場合は節でなく、de + inf. を使います。

 

Il m’a dit : « Sois prudent ! »

→ Il m’a dit d’être prudent.

 

 動詞 demanderdire の他にも、こんなのがあります。

commander/ conseiller/ prier/ recommander…

 

以上で「間接話法」については、おしまいです!

 

この「時制や人称の一致」は、間接話法だけでなく、従属節のある文なら同じように考慮しなければなりません。私のフラ語の先生は「時制と人称を適当にあつかうなっっ、訳が分からなくなるから!」とよくおっしゃっていました。当時の私は「日本語は直接話法を多用するから、間接話法には頭が慣れないのよ~」と責任を日本語になすりつけており、そんな無神経さが私のフラ語に出ていたので先生は釘を刺したんだと、今になって思います。。。今回こうして十数年ぶりに話法をさらったのですが、見事にスポッと頭から抜けている事があってビックリしました。やっぱりコマメな復習は欠かせないようですね。

それではまた次回♪

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