みなさん、こんにちは。
前回のシュー菓子に続いて、今日は「プロフィトロール」のお話です。
「プロフィトロール」は、フランスのレストランやビストロのメニューには欠かせないデザートです。
フランス語でプロフィテといえば「有効に活用する」といった意味。変ちくりんな名前からは、どんな物なのか想像できず、注文して出てきた物を見て、そのボリュームにギョッとするタイプのデザートでもあります。
でも一口たべると、アイスの冷たさとシューの食感が口に爽やかで、もう手が口が止まらない。
それこそ、ご褒美!とばかりに、プロフィテしたくなるデザートだから不思議なのです。
ということで今日は「プロフィトロール」のお話です♪
「プロフィトロール」の歴史
「プロフィトロール」profiteroles は、シューアイスのホットチョコソースがけで、冷たいシューアイスと熱いチョコソースの組み合わせを楽しむデザートです。
シューのサイズはさまざまですが、中大サイズなシューを3つ4つお皿に盛って、サーブされることが多いです。
見た目はけっこうボリューミーですが、意外とペロッといけちゃう恐ろしいデザートでもあります。
名前の由来は?
16世紀の作家ラブレーの作品『パンタグリュエル』の中にも「プロフィトロール」という言葉が出てきます。
当時でいう「プロフィ」とは、お手伝いさんへのちょっとした「ご褒美」としての食べ物のことで、熱い灰の中で焼かれた、小さい団子状の焼き生地でした。
17世紀には、鶏のトサカなどの動物の微妙な部位を、パンの欠片に詰めてポタージュで煮た料理をプロフィトロールとも呼んでおり、これもスイーツとはまったく関係のないものでした。
その後、カトリンヌ・ド・メディシスの料理人ポペリーニが、パッタショ pâte à chaud とよばれたシュー生地の元祖を開拓します。
18世紀には、ケーキ職人アヴィスがレシピを改良し、名職人カレームがシュー生地を完成させ、シュークリームやエクレアを生み出します。
そうして1875年ごろに、シュークリームにチョコソースをかけたプロフィトロールのレシピが出回りますが、じつは、誰の発案なのかはナゾなのです。
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チョコの香りと、シューアイスの甘冷たい口当たりに、罪悪感なんてブっ飛んで、夢中になって食べてしまう恐ろしいデザート。フランスのレストランでプロフィトロールに出会ったら、ぜひ注文して食べてみてね。
それではまた次回♪
La petite histoire de pâtisserie française- Benkhadra-Zakari
Académie du goût- La profiterole, dessert intemporel