今日はアルザス旅行で食べた、
【アルザスの郷土料理とお菓子】を紹介します。
地名だけでなく、料理もドイツっぽいのがアルザス地方です。
豚肉やジャガイモや小麦を中心とした料理に、豊富な種類のワインとビール。
レストランでは男も女も昼食時から、ゆったり一杯飲んでいたのが印象的でした。
今日は数あるアルザス料理から、私が食べたものをいくつか紹介したいと思います。
Table des matière
美味しいアルザス料理とお菓子たち
シュークルート « Choucroute Garnie Alsacienne »
アルザスと言えばの料理がコレ。シュークルートは発酵キャベツのことで、それにソーセージなどの豚肉とジャガイモが乗った一皿。
有名だしパリでも食べられるけど、記念に本場で食べておきました。温かい発酵キャベツがさっぱりして美味しい、豚肉好きにはたまらない一品。肉でなく魚バージョンもあります。
タルトフランベ « Tarte Flambée »
フラメキュッシュとも呼ばれる、とても薄いピザみたいな料理。口当たりが軽いので、ピザの苦手な私でもサクサク食べられました。
ソースはクリームチーズ系が主流で、具はごちゃごちゃ乗せず、ベーコンやキノコだけなど、とてもシンプル。手で直に取って食べてよいので、ナイフフォークは頼まないと出てこない店もあります。
ベッコフ « Baeckeoffe »
アルザスに昔からある、ジャガイモと肉のオーブン煮込み料理。アルザス特有の楕円形の土鍋の中に、香味野菜とリースリング(白ワイン)で一晩マリネしておいた豚肉と子羊肉と牛肉を入れ、そこへジャガイモをたんまり加えてオーブンで煮こみます。
肉は口の中でホロホロと崩れるほど柔らかく、とっても美味しい。あっさりした肉じゃがという感じで、思わず醤油を加えたくなりました。写真の奥に見える脚の緑色のグラスが、アルザス伝統のワイングラスです。
フライシュシュナッカ « Fleischschnacka »
アルザス語で「肉のエスカルゴ」の意。牛ミンチのパスタ巻きをブイヨンで煮た料理で、昔はポトフの残りで作られていました。
パスタはラザニアの様な薄いのではなく、アルザス流の分厚いパスタ。見た目よりもあっさりとしていて、とても食べやすかった一品。
ヴィニュロンヌサラダ « Salade vigneronne »
セルヴラというソーセージと、エメンタールやグリュイエールチーズの千切りを、マスタードソースで和えたもの。セルヴラの昔のレシピは、豚の肉と脳ミソでしたが、現在では肉のみで作られているそうです。
連日の食事で胃が疲れ気味だったので、サラダというからグリーン野菜を期待して注文したら、思いっきりタンパク質でぶったまげた一品。でも美味しかったです。
アルザス流ブシェアラレンヌ « Bouchée à la reine alsacienne »
フランス料理の代表ブシェアラレンヌは、ルイ15世の妻でアルザス在住だったマリー・レグザンスカの料理人が、王妃のために確立させた一品。
サクサクに焼けたパイ生地の中に、鶏肉とクーネルとマッシュルームのブツ切りのホワイトソースが、溢れ出すまでたっぷり入っています。
クグロフ « Kougelhopf »
カヌレ状の焼き型が特徴の歴史ある菓子で、アルザスのパン屋の定番。ブリオッシュよりも乾燥した生地で、中に白レーズンが入っており、表面にはアーモンドが飾られています。
昔は祝いの席に食べられた菓子ですが、今日では朝食パンとして食べられ、アペリティフ用には塩味系クグロフも作られています。
ブレッツェル « Bretzel »
プレッツェルは、おつまみサイズが世界的に有名ですが、アルザスでは、成形したブリオッシュ生地を重曹水に浸してから焼いた、大きいサイズのパンの方がよく売られています。
このパンの歴史はとても古く、腕を組んだような「形」に関しては、数々の言われがあるようです。朝食によばれましたが、けっこうズッシリくるパンでした。
↑モン・サント・オディル修道院の麓の町オベルネを散策していて見つけた、17世紀に建てられた家のアーチに彫られている紋。ブレッツェルはパン屋、半円形の輪は粉挽き屋の印で、当時の職業組合の紋だそう。
トルシュオマロン « Torche aux marrons »
「栗のトーチ」の意で、モンブランケーキのアルザス版。秋のアルザスでは、どこのケーキ屋でも作ってる定番菓子です。店によって美味しそうな雰囲気が違うので、甘党さんなら食べ比べをしてみても楽しそうです。
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アルザスの郷土料理はたくさんあり、シーズン物のお菓子やビールなども豊富で、どの季節に訪ねても違った味を楽しめます。
欧米の食事は一皿メニューが一般的で量も多め。その洋食パターンにももう慣れたと思っていたのですが、アルザスの一人前の量を見たときには、初心に戻ったかのようにそのボリュームに驚きました。
ですが、どの料理もお菓子も気取ってなくて家庭的。この素朴な感じが口にも心にも温かく、またいつか食べに戻って来ようと思わせる味でした。