フランス語の会話で耳にする、
« C’est pas terrible. » と « C’est pas mal. »
この形容詞を「ひどい」「わるい」のストレートな意味で読んでいると、?な状況に陥る、フシギな表現なのです。
今日はこの2つの文の真意について、探ってみます。
Table des matière
C’est pas terrible. 「たいしたことないなあ」
« Terrible » という形容詞。
辞書をひくと最初に「ひどい・耐えがたい」といったネガティブな意味がのっています。
しかし会話では「すごい・すばらしい」のポジティブな意味でもつかわれます。
なぜ2方向の意味になるのか?
« Terrible » は物事の様子でなく、物事の様子の「程度」を表してるということがポイントです。
Terrible という言葉は「terreur “恐怖” を与えることができる」です。
つまり「恐れを感じるヒドさ」にも「恐れを感じる素晴らしさ」にも使えるというわけです。
« C’est terrible » 肯定文のとき
まずは « C’est terrible. » と肯定文のときです。
この肯定文の terrible は「ひどい」または「すばらしい」の意味です。
どちらの意味なのかは、会話の流れとイントネーションから判断します。
C’est terrible, ce qui se passe là-bas.
「あそこで起きてることはひどすぎるよ」
C’est un gosse terrible.
「手に負えんガキだね」
Il sort avec une fille terrible !
「彼って超スゴイ女の子と付き合ってるんだ」
fille terrible はたいていポジティブ。
J ‘ai un travail terrible à faire.
「やらないとだめな仕事がすごいある」
量がすごいという意味で使われる。
C’est un musicien terrible. Il joue terrible!
「すごいミュージシャンだ!すっごい演奏するんだよ」
「ひどいミュージシャンだ。聞くに耐えない演奏するな」
どちらの意味なのかは、話の流れや口調から判断。
« Ce n’est pas terrible. » と否定文のとき
« C’est pas terrible. » と否定文の場合です。
この terrible は「すばらしい」の意味です。
よって「素晴らしいってほどでもない → 大したことない」になり、真意は「がっかり」してます。
Pas terrible, ce film.
「この映画、あんまり大したことないな」
Il n’était pas terrible, ce nouveau restaurant.
「この新しいレストラン、どったことなかったね」
C’est pas mal. 「なかなかいいね !」
« C’est pas mal. »
直訳は「悪くはないね」ですが、真意は「なかなかいいね」のポジティブです。
日本人が「悪くないね」と言うとき、真意は「良くない・悪い」だと思いますが、仏人は逆で「ふ〜ん、良いじゃん」です。
« C’est pas mal du tout. »
と強調して「ぜんぜん悪くないね」といったりもします。
ここまでくれば素直に「けっこう良いよ!」と言えばいいのに… と思います。
まとめ
« C’est pas terrible » は「大したことない」でネガティブな感想を、
« C’est pas mal » は「わるくない」でポジティブな感想の表現でした。
ぜひ会話でニュアンスを意識して使ってみてくださいね。
それではまた次回♪