みなさん、こんにちは。
今日は、復活したイエスが弟子たちの前に現れたとされる日、
Pâques 復活祭に食べる「チョコ」のお話です♪
Table des matière
復活祭とチョコ!の歴史
フランス語で復活祭は Pâques「パック」。春分後初の満月の後にくる日曜日です。
パックの日はフランスの (昔の?) 子供たちにとって、庭に隠された卵を探して遊ぶ、楽しい日でもあるんです。
その卵、昔はヌガー製も流行ったそうですが、最近はほとんどが豪華なチョコレート製。
街のブロンジュリーでは復活祭が近づくと、色んな形のチョコが販売され、ショウインドーが賑やかになります。
伝統的な卵だけでなく、教会の鐘、ウサギ、魚、雌鶏、ヒヨコ、魚など。
フランスはチョコ職人がいるくらい、チョコの味にうるさい国。
型抜き食品は味がイマイチなことが多いのですが、チョコの場合、型抜きだろうが質は絶対に落とせません。
よって復活祭チョコは平均して高価で、巷のブロンジュリーでも、いいなと思う物は1個20€くらいします。
ちょっと洒落れたお店だと、100€近い型抜きチョコもウインドーに並びます。もう芸術作品です。
そこまで高価だと、スーパーの板チョコで満足できる私には贅沢すぎて、購買意欲を刺激されることすらありませんが、一体誰が買うのでしょう、、、可愛い孫のためにお金持ちなマミーたちが買われるのかな??
ちなみに復活祭の週におけるフランス国内チョコ消費は、*年間消費の20%を占め、だいたい13000-15000トンだそう。これでもドイツの半分くらいの消費量だというから驚きです。
つぎは、復活祭の「シンボル」の話です。
復活祭の愛すべきシンボルたち
タマゴ
復活祭には、それを象徴する様々な「形」が存在します。
例えばタマゴ。新生と豊穣の象徴である「卵」は春の象徴でもあり、古代ペルシャ人たちが赤く塗った鶏卵を春祭に贈り合ったという慣習に由来します。
その後、春のタマゴ文化はキリスト教に取り入れられます。17世紀ごろまでは、復活祭前40日間の四旬節とよばれる準備期間中は、卵を食べることが禁じられていました。日々溜まっていく卵に人々は色付けをして、古い卵と新しい卵を見極められるようにしたといいます。
そして時代は流れ、カカオを使ったパティスリーが盛んになり始める1830年ごろ、チョコエッグが登場するのです。
鐘とウサギ
これはネズミ。
内部は空洞で魚介チョコチップが詰まっている。
教会の「鐘」や「ウサギ」もパックの定番シンボルです。
復活祭前3日間の木金土は、キリストの受難と死を思い、カトリック教会の鐘は鳴りません。昔はその理由を子供たちに「教会の鐘は空を飛んでローマまで行き、教皇に祝福されて戻ってきて、卵を配るんだよ」と説いたといいます。
これが、復活祭の日曜日に子供たちが庭でタマゴを探すイベントになりました。ちなみにアルザス地方やドイツでは、鐘でなく、可愛いウサギが卵を撒くようです。
さかな
そう、「魚」もキリスト教のシンボルなんです。以前から不思議だったので調べてみました。
ひとつは、古ギリシャ語で魚を意味する « ICTHUS » イクトゥスという単語が、« Ièsous Christos Theou Uios Sôter »「イエスキリスト、神の子、救い主」の頭文字であるということ。
そのため、初期キリスト教徒たちは魚マークをお互いの確認符合に使い、その歴史から、キリスト教と魚の結びつきが強く残ったと考えられています。
↑イクトゥスの魚マーク。
それとは別に、新約聖書「ヨハネによる福音」に、153匹の魚が網にかかるという「復活したイエスによる奇跡の豊漁」の話があります。ここから、イースターチョコの中には、豊漁を意味する魚介チョコチップが詰め込まれるようになった、といいます。
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季節の祝いモノは絶対に食べておく主義なので、今年は魚チョコをよばれました。もちろんチョコはブラックです。美味しかった!
復活祭のチョコ、クリスマスのプレゼント、公現祭のガレットデロワ、シャンドラーのクレープ…
フランスにおける美味しく楽しい行事は、キリスト教の歴史の賜物なようですね。
それではまた次回♪