今日のフラ語は、「未来のことを言う」フランス語の時制【現在・近接未来・単純未来】についてです。
現在形は「現在のこと」、近接未来は「近い未来」、単純未来は「遠い未来」を表現するときに使うのが、時制を理解する基本パターンではないかと思います。
間違ってないのですが、この基準だけで時制を使い分けると、いまいちスッキリしないことが多々あります。
今回はこの3つの時制を、どう使い分けるかについて見てみます。
それではどうぞごらんください♪
Table des matière
まずは【現在・近接未来・単純未来】の形
各時制の形を FAIRE でさっと確認します。
【現在形】Je fais/ Tu fais/ Il fait/ Nous faisons/ Vous faites/ Ils font
【近接未来】ALLER + 不定詞
【単純未来】Je ferai/ Tu feras/ Il fera/ Nous ferons/ Vous ferez/ Ils feront
それでは、各時制についてみていきます。
【現在・近接未来・単純未来】のニュアンス
各時制をとらえる上で、「現在と未来の距離」は考えずに、実現されるかの「確実性」だけに注目します。
それでは例文をみてみます。
嫁が夫に居間の掃除を頼みます。
Tu peux passer l’aspirateur dans le salon, s’il te plaît ?
居間に掃除機かけてくれる?
①現在形の夫 :
Oui, je le fais après mon petit déjeuner.
うん、朝食のあとでやるよ。
②近接未来の夫 :
Je vais le faire après mon petit déjeuner.
朝ごはん食べてからやるから…
③単純未来の夫 :
Ok, je le ferai après mon petit déjeuner.
いいよ、朝食後やるよ。
①の現在形だと「夫は確実に掃除機かける決心をしてる」と聞こえます。
②の近接未来も「ほぼ確実にやる」と聞こえます。現在形との違いは、近接未来だと aller が付くので実行されるまでの時差感が出るため、「今すぐじゃないけど」という風にも聞こえます。
③の単純未来だと、嫁は「ほんとにやるのか?」とちょっと不安になります。現在形が基盤でないため、遠いことのように聞こえ、確実性がはっきり出ないためです。
なんとなく、雰囲気が掴めそうでしょか?各時制ごとに、もう少し例をみてみます。
① 現在形
J’appelle ma mère demain.
「あす母親に電話する」のが現時点で確定しています。
Il part dimanche prochain.
「彼は次の日曜日に出発する」のが現時点で確定しています。
② 近接未来
Je vais appeler ma mère ce soir.
「今夜は母親に電話かけよう」と本人の決心が感じられ、ほぼ確実に実行されると聞こえます。
Attend 2 secondes… je vais t’aider.
「ちょっとだけ待って、手伝うから」今すぐじゃないけど、少し待ってくれたら確実に手伝うと聞こえます。
Je vais vivre à la campagne.
「ぼく、田舎でくらすよ」ほぼ確定・決心していると伝わります。時を表す補語がないので、もちろん何時のことかは分かりません。
Courage, tu vas y arriver.
「がんばれ、できるよ」(arriver à inf. うまく~できる) 現在起点の表現なので、話者が確信をもっている感がでます。単純未来 « Tu y arriveras. » だと「そのうちできるさ」的なゆるさが感じられます。
③ 単純未来
On verra plus tard. / On en parlera demain.
「またあとで(様子を)見てみよう」「それについては明日話そうか。」未来におくことで、現在とは切り離され、物事を先延ばしにしてる感が漂います。(よって、いま話してるヒマないのに喋ってくる人を、やさしく追い払う時にも使えます。)
« On verra. » の近接未来 « On va voir. » もよく使われます。単純未来との差がそれほど出ない場合もありますが、強いて言うなら、近接未来は「今ではないけど、実現には積極的」、単純未来は物事を未来に据え置きしてるので「とにかく今じゃない。実現はそのうちに」と言ったニュアンスです。
Tu prendras ce médicament ce soir.
「今夜この薬のむんだよ」Tu (Vous) が主語で「君は今夜こうするだろう」と相手の未来を勝手に描写することで、ゆるい指示・要求を出す効果があります。これが近接未来 « Tu vas prendre ce médicament. » だと、大人が子供に指示を出すみたいに、キツめに聞こえます。
Je terminerai ce soir.
「今夜にでも仕上げるよ」時間がない、やる気がないなど、今やってる事をほっぽらかす時に使えます。単純未来形なので、今夜には仕上がらなさそうな気配がムンムン漂います。近接未来 « Je vais terminer ce soir.» だと、まだヤル気がある感が伝わってきます。でもまあ結果は人によりますね…
さいごに
「どのくらい未来か」よりも、表現したい「確実性のニュアンス」を基準に時制を選びます。使い分けに「仮定 Si + 現在」の条件の有無を基準にできるかどうかも考えましたが、現在・近接未来・未来の3つのどの時制においても「未来に関する仮定」であるのに変わりはないため、判断素材には入れませんでした。勝手な考察を盛り込んでる部分もありますが「現在形・近未来・単純未来」の理解の参考になれば幸いです。
それではまた次回♪