フランス語の代名動詞・複合過去の性数一致

フラ語【代名動詞の複合過去における性数一致】

みなさん、こんにちは。

今日はフランス語の代名動詞【複合過去の性数一致】に関するお話です。

 

フランス語を勉強していると「性数一致」は避けて通れません。これが代名動詞になると、もうホント勘弁してよです。

動詞ごとの文型をサクサク丸覚えできる脳ミソがあれば苦労しないだろうにな…といつも思うのですが、持ってないモノは持ってないので、諦めてノンビリ勉強しています。

ちょっとボリュームのある記事なので、根詰めず、ぼちぼちとごらんください♪

代名動詞【用法】と【性数一致のルール】まとめ

代名動詞の【用法】まとめ

まずは代名動詞の「用法」を確認です。

どういうグループがあって、どう機能してるかを把握しておくのは「性数一致」の理解には必要です。

「グループ分け」は人によって細部が異なることがありますが、主要部分は一緒です。

代名動詞は大きく①②に分けることができ、②はさらに4つに分けられます。

« 代名動詞 » の形でのみ存在 (本質的)
 « 代名動詞 »と« se がない動詞単体 » の2形で存在
  再帰的
  相互的
  受動的
  動詞単独と代名動詞とで意味が異なる

代名動詞には、この5つのグループ(用法) がありました。このグループごとに、性数一致のルールを見ていきます。

各用法について詳細を確認したい方は、前回の代名動詞の活用と用法を覗いてみてください。

代名動詞の複合過去【性数一致】まとめ

先に「代名動詞の過去分詞の性数一致の規則」をまとめておきます。

グループ①「代名動詞でのみ存在 (本質的)」

いつも主語に一致

グループ②の「3. 受動的用法」と4. 動詞単体と代名動詞で意味が異なる」

いつも主語に一致

グループ②の「1. 再帰的・2. 相互的」用法で、 直接目的語 COD が助動詞 être の前方にある場合。 

→ COD に一致

上記のルールに当てはまる場合は、性数一致します。

もうすこし、詳しく見たい方はつづきをどうぞ。

代名動詞の複合過去の【性数一致】について

各用法ごとにどう一致するのかをみてみます。

 代名動詞でのみ存在 (本質的)』の場合

このグループの代名動詞は、いつも主語の性数に一致します。

Ils se sont moqués de moi.
彼らは僕をバカにした。

Elle sest méfiée de moi.
彼女は僕を警戒した。

 

« 代名動詞 / se がない動詞単体 » の2つの型が存在」の場合

3. 受動的」「4. 動詞単体と代名動詞で意味が異なる」の場合

このグループの代名動詞も、いつも主語の性数に一致します。

La maison sest vendue facilement.
家は簡単に売れた。(受動的)

Elle sest mise à pleurer.
彼女は泣き始めた。
(動詞単体と代名動詞で意味が違うもの)

Elle sest servie de ma voiture.
彼女は僕の車を使った。
(動詞単体と代名動詞で意味が違うもの)

 

1. 再帰的」「2. 相互的」の場合

複合過去の「性数一致の基本ルール」として、文の直接目的補語 COD が助動詞の前方に上がってきている場合は、過去分詞はその COD の性数に一致します。それが代名動詞にも適用されます。

COD を見分けるためには、代名動詞でなく、動詞単体の文型をヒントにします。日本語訳の「〜を/に」を基準に判断しても上手くいかないことが多いので、フランス語の文型で判断するよう頑張ります。

* 直接目的(補語) COD / 間接目的(補語) COI

Elles se sont téléphoné.
彼女らはお互い電話をした。

téléphoner à qn
→ se = lune à lautre お互いに COI
  一致しない

Elle sest réveillée.
彼女は目が覚めた。

Elle a réveillé elle-même.
→ se = elle-même COD
→ CODが助動詞の前
一致する

Elle sest lavée.
彼女はカラダ(自分自身)を洗った。

Elle a lavé elle-même.
→ se =elle-même COD
→ CODが助動詞の前
一致する

Elle sest lavé les mains.
彼女は(彼女自身の)手を洗った。

Elle a lavé les mains
→ les mains COD
→ CODは助動詞の後
一致しない

Les mains quelle sest lavées
彼女が洗った手

Elle a lavé les mains
→ les mains COD
→ CODが助動詞の前
一致する

Elle sest servi du thé.
彼女は(自分に)紅茶を入れた。

Elle a servi du thé.
→ du thé COD
→ CODが助動詞の後
一致しない

 

おまけ。【代名動詞の後に形容詞や動詞原形】が続く場合

この項目も奥が深いので、知っておくと便利な点を2つふれておきます。

代名動詞の後に【形容詞】が続く場合

代名動詞のあとに「形容詞」が続く場合、過去分詞はいつも主語の性数に一致します。

Elle sest sentie abandonnée par ses amis.
彼女は友達から見放されたと感じた。

Elle sest montrée capable.
彼女はできる様をみせた。

 

代名動詞の後に【動詞原形】が続く場合

代名動詞のあとに「動詞原形」が続く場合、文の主語が動詞原形の動作主か(能動)、または別の誰かが動作主か(受動) によって性数一致が決まります。

 

*主語が動詞原形の【動作主である】場合(能動)

主語に一致する

Elle sest laissée aller.
彼女は成るままに身を任した。

能動の意味がつかみにくいですが、Elle aller の動作主。

 

*主語が動詞原形の【動作主でない】場合(受動) 

一致しない

Ma fille ne s’est pas laissé soigner les caries.
娘は虫歯の治療をさせなかった。

娘でなく別の人(医者)が soigner の動作主。

Elle sest senti empoter par la marée.
彼女は潮に流されてるのを感じた。

彼女でなく潮が emporter の動作主。
これは Elle s’est sentie emportée とも書けますね。

  つまり受動の意味がいつも根底にある se faire + inf. の複合過去s’être fait + inf.』は、過去分詞 fait に性数一致は起きないことになります。

 

おわりに

代名動詞の性数一致は、その代名動詞の所属するグループを知ることが理解の近道になります。ですが同じ代名動詞でも、文によって用法グループが変わってくる場合もあるので注意が必要です。代名動詞の性数一致を完璧に使いこなすのはホント至難の技…  最後まで根気よく読んでいただいてありがとうございます。

それではまた次回♪

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