オチがシャレたフランス映画【地下室のメロディ】あらすじ感想

 

ギャバンとドロンの初共演。セリフ・映像・音楽、全てにおいて、犯罪モノでこんなに洒落た作品が出来るのかと、目からウロコ。

南仏カンヌの、陽気と明るさとゴージャスを背景に、カリスマギャングと若いゴロツキが、カジノの金庫を狙います。

クラシックなのに古くない、むしろモダンを感じる作品。

《地下室のメロディ》

原題 « Melodie en sous-sol »

監督 アンリ・ヴェルヌイユ
脚本 アルベール・シモナン
   ミシェル・オディアール
音楽 ミシェル・マーニュ

出演 アラン・ドロン
   ジャン・ギャバン
           モリス・ビロー

公開年 1963年
上映時間 118分
ジャンル 犯罪
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あらすじ

5年の刑期を終えて出所した老ギャングのシャルル。妻が犯罪からはもう足を洗ってくれと言うも、最期の計画とやらを練る。

彼は刑務所で知り合った若いゴロツキのフランシスと、義理の弟ルイとの3人で、カジノの金庫を襲うことに決める。

シャルルはカジノの様子を綿密にさぐる。フランシスはカジノの女性ダンサーを口説き、お金持ちのお坊ちゃんのフリして、カジノへの出入りを確保する。3人は金庫の金を盗み出すが… !

感想

ああ、オチが最高すぎ!いや、正確に言うと「オチの場面」が最高です。

有名な作品なので知ってる人も多いでしょうが、まだ観てない人のために、ここは最後には触れないでおきます。観てないひとは観てください。このオチ感は味わわないと勿体ないです。

カジノ強盗が実行されるまでの前半部分が長いので、セッカチな人には若干テンポが緩んで感じるかもしれません。でも観るのを止めたくなる様なトロさではないので、ご心配なく。フランス流の強盗フィルムの原型です。

 

ギャバンとドロンはこの映画で初共演しました。ギャバンはお得意、いぶし銀ギャングの風格。ゆったり堂々とした動きに貫禄あり。

ドロンはといえば、これがいい感じでチャラ男をやってくれています。仕事せずにお金を得たいタイプ。基本的に、クールでスマしたキャラを演じることが多いドロンですが、この作品では人間味を感じさせる生き生きした演技です。

カリスマ俳優2人が、お互いうまく共存してます。相手の価値を殺し合ったりせず、逆に価値を高め合っています。ドロンはかなりギャバンを尊敬していたようですね。

 

この映画、カラーと白黒とあります。私は白黒の方が好きです。白黒フィルムを観る時は、感覚が馴染むまで5分ほど辛抱を要しますが、この映画ではいつのまにか、頭の中でカラーになって観ていました。

白黒だけど古臭くない。南仏カンヌの華やかさや光を感じられる映像が、とてもキレイな作品です。

そこに、作曲家ミシェル・マーニュのジャジーな音楽が合わさります。舞台の華やかさにピッタリで、それゆえ、白黒だけど色彩の感じられるものに仕上がっていたのかもしれません。

個人的にはカラー版よりも白黒の方が、断然モダンな作品に映りました。

 

かっこいい俳優とキレイな映像を目で楽しむだけでなく、セリフも楽しめる作品です。セリフを書いたのは、ミシェル・オディアール。この人の書く対話は的を射た文が多くあり、会話を楽しめる映画でもあります。たとえば、この作品の中で有名なのがこれ。↓

『仕事ってのは、若いころに始めるのがいいモノなんだよ。ガキんちょの頃からやってれば、生まれつき持ってる弱点みたいなもんで、あっというまに慣れてアレコレ考えなくなるのさ』

“Le boulot, c’est un truc qu’y vaut mieux commencer jeune! Quand tu dèmarres tout môme, c’est comme si t’ètais nè infirme: tu prends le pli et t’y penses plus!”   Michel Audiard

母『あんたは父さんと母さんを悲しませて死なせようってのかい?』
息子『そりゃいいね!それなら凶器は見つからないもんな!』

“Moi et ton père, tu nous fera mourir de chagrin!”
“Tant mieux, comme ça on retrouvera pas l’arme du crime”
Michel Audiard

クラシックだけど、古臭くない。かつ緻密にできた作品です。

最後のオチの場面、ほんと好きです。あの空気… サングラスの向こうにあるギャバンの目が見たい!と思わされた作品でした。