フランス映画【エリザ】ヴァネッサ・パラディの独特な世界を観る

 

小粒だけど、きっちり光る作品。何とも言えない倦怠感のような、セピア色な空気がいつも流れています。フランス映画と言えばこの雰囲気を連想する人も多いかもしれませんね。

と同時に、好き嫌いが分かれる系であると思います。映画を絵画的に観れる人や、気だるげ、詩的な色調の映画が好きな人には、高評価の作品だと思います。

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作品情報

原題 Élisa 

監督 ジャン・ベッケル
出演 ヴァネッサ・パラディ
   ジェラール・ドゥパルデュ
   クロチルド・クロー

上映時間 115分
公開年  1995年
ジャンル ドラマ

あらすじ

3歳から孤児院で育ったマリーは今、17歳。当時の母の自殺は、自分と母を見捨てた父のせいと信じる。そして今、その復讐のために父探しの旅にでる。手がかりは父が母に送った一枚の絵葉書と、母が良く聴かせてくれた「エリザ」という歌。

感想

客観的にみた感想。こじんまりとまとまった、綺麗な作品です。映像も素敵だし、ゲンズブールへのオマージュ作品と言われるだけあって、音楽の使い方もいい。気だるげでちょっと淋しい、何とも言えない空気がずっと映画の中に漂っています。

母親に窒息死させられそうになるも、運良く生き延びたマリー。その母親は、殺したと思った娘の後を追って自殺。そのことがマリーの中でずっとトラウマとなって今に至ります。ヤサグレても友情に生きるマリーを演じるヴァネッサ・パラディも、子供っぽさと大人の色気を合わせ持った独特の世界を演出しています。

 

個人的な感想としては、まずまずな作品でした。私の好みに合っていなかったのだと思います。とにかく前半がだるい。孤児院で育つエリザが大きくなり、親友ソランジュとアメッドと3人で孤児院を飛び出す。彼女がどんな風にひねくれて成長しているか描写されるのですが、単調なのです。詐欺まがいの行動など、いつも起こる事が同じ。

 

特にヴァネッサ・パラディは起伏のない演技をしていたように感じられました。おまけに声はかなり個性的。強烈にペチャっとした声をしているので、好き嫌いが分かれると思います。演技や雰囲気も独特な良いものを持ってるんだけど、これも好きにならないと観ていて辛いです。

後半部分も半分が過ぎた頃から、やっとこさ、マリーのパパ役ドゥパルデュが顔を出します。ついに空気が入れ替わったか!と思いきや、またしても単調に。ドゥパルデュの登場に期待していたのですが、これまた彼の力が発揮されておらず。

作品の良いところを探しつつ、意地で最後まで観ましたが、本当に途中で止めようかと思ってしまいました。ドゥパルデュはとても好きな俳優で、この映画を観るのを楽しみにしていたため、彼がチョロっと出演だったのにも本当にガッカリ。キャスティングは悪くないのに勿体ないです。

それに、助演俳優たちが魅力的なキャラだったので、主役がえらく薄っぺらく感じられました。どうしたら、こんなペッタンコな映画になっちゃうのか。もし主役陣が名の知られてない俳優たちだったら、もうとんでもない駄作だったのではと思ってしまいました。ストーリーもあまり練られてなくてありふれたものだったのも残念です。

評価の分かれる作品のようです。高評価もあるので数年後に再鑑賞してみたいです。キレイに作られてるので、別の見方が出来るようになってると、感想も変わるかもしれません。