みなさん、こんにちは。
今日はフラ語の表現【万事休す】です。
日常そう使うことはない、もしくはあんまり使いたくない表現「万事休す」ですが、
今回はフラ語を勉強中なら知っておきたい、有名文を2つ紹介します。
それではどうぞ、ごらんください♪
Les carottes sont cuites.
Les carottes sont cuites.
手遅れだ!もう絶望的!なす術はない!
直訳は「人参が煮えた」
昔「ニンジン」は貧しい家庭の食卓の常連であり、時には便秘の表現に使われたりと、あまり良いイメージの野菜ではありませんでした。19世紀には、avoir ses carottes cuites「煮えた人参を持っている」で、手の施しようがなく死を目前に控えている人の状態を表現したことから、« Les carottes sont cuites. » が定着したと言われています。使う時は、短く « C’est cuit. » とだけ言うこともあります。
では、少し例をどうぞ。
空港で友達を待っていて、
– Il est en retard à cause des embouteillages, il va certainement rater son avion. A mon avis, les carottes sont cuites.
– 彼、渋滞で遅れるんだって。確実に飛行機乗り遅れるだろうね。もう絶望的だと思うよ。
être en retard「遅れている」
à cause de「〜のせいで」
des embouteillages「♂渋滞」
certainement「確実に」
rater「損なう」
投票日の夜、テレビの前で、
– Ce n’est pas la peine d’attendre le résultat final des élections : d’après les premières estimations les carottes sont cuites pour lui.
選挙の最終結果は待つ必要ないね、最初の開票速報によると、彼もう絶望的だし。
ce n’est pas la peine de「わざわざ〜する必要はない」
résultat「♂結果」
d’après「〜によると」
estimation「♀推測」
それでは2つ目の有名な表現を紹介します。
C’est la fin des haricots !
「お終いだあ!」 C’est la fin des haricots !
直訳は「最後のお豆さん」
これも「お終いだ・運は尽きた」の意味です。昔の船乗りたちは積み込んだ食糧を、まず生鮮食品、乾燥ビスケット、塩漬けや燻製物、乾燥豆の順で消費していきました。つまり「乾燥豆の終わり」の段階にあるということは、もうすぐ食糧が底を尽きる!という死活問題の表現だったわけです。
それでは少し例をどうぞ。
渋滞に巻き込まれて飛行機に乗り遅れそうで、
– Si je rate mon avion, c’est la fin des haricots.
飛行機乗り遅れたら、もうお終いだよ!
スピード違反でまたもや捕まり、
– J’ai perdu tous les points sur mon permis de conduire. C’est la fin des haricots.
運転免許の点数が全部なくなった。ああ、もうお終いだ…
perdre「失う」
point「点」
permis de conduire「運転免許」
— —
どちらもドラマチックなことを言う表現なんですが、ニンジンとか豆とか、なんだか可愛らしい表現ですね。個人的には C’est la fin des haricots. が好きです。haricot の h は有音なので発音は「デアリコ」です。
それではまた次回♪
– My Parisian Kitchen : https://www.myparisiankitchen.com/pourquoi-dit-on-les-carottes-sont-cuites/
– Projet Voltaire : https://www.projet-voltaire.fr/origines/expression-la-fin-des-haricots/