みなさん、こんにちは。
今日から4回に分けてフランスの四季ごとに、代表的な庭の花と、その花言葉を紹介しようと思います。
今回はその「春」です。
ご存知のとおりフランスにも、四季があります。
パリはフランスの中でも北の方に位置するため、南仏にくらべ春の到来は遅く、だいたい2月中頃くらいから。
庭のクロッカスが咲き始めたら、春だなと感じます。
実際は1月末あたりから日差しが春まって来るんですが、冬の名残でまだピリッと寒い早春はステキな時季です。
そこを過ぎると暖かい日が多くなり、ムスカリ、モクレン、チューリップと春本番に。
ライラック、牡丹、バラときたら、パリも晩春初夏です。
ということで今日のテーマは、フランスの四季の庭【春の花言葉】です。
どうぞごらんください♪
Table des matière
春の庭の花言葉
アネモネ L’anémone
「信頼・愛情」
早春の花アネモネは、悲しみから心を回復させてくれるという花です。色も白から赤や紫まで多様で、120種ちかくあります。
晩夏から咲くシュウメイギクは « Anémone du Japon » 日本のアネモネと呼ばれ、フランスでもガーデニングに固く人気のある花です。
シャクナゲ Le rhododendron / ツツジ L’azalée
シャクナゲは「エレガンス」
ツツジは「誠実な愛」「愛す喜び」
春になるとパリの園芸店を賑わすツツジとシャクナゲ。透明感ある花びらの質感は独特で美しく、郷愁を感じる花のひとつです。
小学校の帰り道に、他所の家の垣根に咲くサツキやツツジの蜜を吸い吸い (本当は毒らしい) のらりくらり下校していた思い出があります。
スイセン Le narcisse
「自己愛」「エゴイスト」
「僕って美しい」フラ語でスイセンはナルシス。水面に映った自分に恋するあの美青年の名前からです。あんなに凛として美しい花なのに、名前の由来が有名すぎて、花ことば特集でも無視されることの多い可哀想な花。
だからでしょうか、キズイセン « La Jonquille ラジョンキーユ » を別扱いして「素敵な再会」の象徴として名誉挽回をはかっています。
チューリップ La tulipe
赤は「好きです」白は「ごめんね」
クラシックなカップの赤が定番で人気ですが、近年フランスでも原種系に注目が集まっています。
うちも色々な種類を植えましたが、ズボラなので植えっぱなしが基本でしょ?するとクラシック種の黄色が一番強いらしく、何もせずとも毎年自力で上がってきては咲いてくれます。本数は徐々に減ってますが、ありがたい!
フジ La glycine
「優しさ」「分かち合う友情」
春も最中になると豪華絢爛に咲くフジの花。フランスではとてもポピュラーな庭木で、あまりの家庭への浸透具合に驚かされた植物でもあります。
花の豪華さだけでなく、花後の緑葉の茂りぐあいが柔らかで美しいのも、人気の理由なのかと思います。
ボタン La pivoine arbustive
「誠実」「愛」「女性らしさ」
芍薬も牡丹もピヴワンヌ « Pivoine » と呼ばれます。区別するときは、芍薬は草生 « herbacée » エルバセを、牡丹は木生 « arbustive » アルビュスチヴをつけます。
フランスではピヴワンヌと言えば、たいてい芍薬のことを言ってます。よって花言葉も区別がありません。
モクレン Le magnolia
「自然の力」「尊敬」「忠実」
パリは日本と違い、桜の木がそこら中にあるわけではないので、私が何で春本番を感じるかというと、このモクレンです。待ちに待った春一番の見応えある咲き方に惚れて、植えてる家庭の多い庭木。
ですが地球上最古の花木と言われるだけあって、花と果実の量は半端なく多く、花後は地面の掃除が大変です。桜は散り姿まで風情がありますが、モクレンの散り様は大味。
ライラック Le lilas
「若さ」「素直な感情」
白色は「互いに愛し合い」紫は「私の心はあなたのもの」というメッセージ。リラは白色から紫ピンク系、色の濃さも薄いのから濃いのまで多様で、穏やかで上品な香りがする花です。
フランスでは一家に1本はあるんじゃないかと思われるくらい超メジャーな庭木。
ワスレナグサ Le myosotis
「本物の友情」「愛」「思い出」
若い女性が河に流れる青い花を見つけ、それを取ろうとした若い男性が河に落ちてしまいます。男性はなんとか女性にその青い花を渡すも「僕のことを忘れないで!」という言葉を最期に残して川に飲まれてしまいます。切ないドイツの逸話です。
ふんわりボリュームあるブルーが、なんともメランコリーな風情を漂わせます。フランスでは春の庭の差し色に人気。
— 🌷 —
パリで人気の庭木や花木で、アジア原産のものは案外たくさんあります。
芍薬、藤、沈丁花はもちろん、ヤツデやアオキ、八重山吹だって見られます。
日本で馴染みだった植木たちにフランスで出会えたときは、とてつもなく嬉しかったですね。
反対に見られなくて寂しいなあと思う春の木は、やっぱりソメイヨシノ。あの咲き姿と、あの香りは、格別です。
それではまた次回♪
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Langage emblématique des fleurs- Dictionnaire Larousse
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