ときどき灰のかぶったチーズをみかけます。
それも、けっこう真っ黒になってる物もあったりしてビックリ!
熟成がすすんで表面が干からびたチーズだけでなく、若いフレッシュなチーズにもまぶしてあったりします。
一体どうして灰がまぶしてあるのか?というお話です。
チーズと灰の歴史
それはやはり昔の人の知恵で、灰をまぶしたのにはいくつかの理由があります。
まずはチーズを長期保存するときの虫対策。とくにハエから守るためでした。そしてフレッシュなチーズ同士がくっ付きにくくするためと、その水切りを促進するための知恵でもあったよう。これらは納得な理由ですね。
ちょっとビックリな理由もあります。かの有名な「カマンベール」。なんと現在の白カビが発見されるまでは、生えてきたカビ隠しにつかってたとか!
むかしは植物を燃やしたあとの灰をつかっていましたが、現在では木炭の粉をつかっています。昔の人は、ミルクを固めるためのレンネットを保存するためにも灰をつかっていました。
ガショネというヤギのチーズ。表面に灰がまぶしてあります。
この灰のまぶしかたも様々で、チーズを灰の中で転がすやり方もあれば、現在では単に飾りとして振りかけてあるものもあります。
ところで「モルビエ」という生地の中に灰の筋が一本はいった、灰がサンドイッチされたチーズがありますが、このチーズの歴史はとても面白いのです。
昔、きびしい冬のあいだ、朝とれたミルクを村のチーズ製造所まで運んでいくのが困難であった酪農家は、自分の家でチーズをつくりはじめます。朝とれた少ないミルクでチーズを作って保護のために灰をまぶしておき、夜になると、朝作ったチーズの上に日中とれた少ないミルクをまた継ぎ足すのです。こうして、モルビエの真ん中に灰の筋が一本はいることとなったのです。
チーズと灰は意外にも深い歴史があったんですね。