みなさん、こんにちは。
本日はフランスのいちごケーキ「フレジエ」の話です。
日本のいちごケーキの代表は、ショートケーキ🍰。
上下のスポンジ層が分厚くて、中間はイチゴを挟んだホイップクリーム層。
そして外面を丁寧に生クリームで覆ってデコレーションを施した、赤と白の対比が美しいケーキです。
でもこのケーキ、甘さを引き立たせる、もしくは甘味バランスを考えてと、わざとすっぱいイチゴを使うことがあります。
すっぱいイチゴは香りが無いことが多くて、これなら作らない方がマシやん!というくらい、可哀想なショートケーキに出会うこともしばしば。
たまに、甘味と香りのあるイチゴを使ったショートケーキに出会うと、なんという幸せ!
日持ちや予算、アカデミックなルールだけに縛られない、作り手のこだわりが感じられて、ケーキってやっぱり五感の芸術なんだと感じる瞬間です。
あああ、今日の目的はショートケーキ論じゃなかった…
では「フレジエ」の話へどうぞ〜♪
フランスのいちごケーキ「フレジエ」
フランスには、いわゆる日本風のいちごショートケーキはありませんが、「フレジエ」があります。
フラ語でイチゴは「フレーズ」、イチゴの植物を「フレジエ」といいます。
「フレジエ」の土台は、キルシュを含んだスポンジ生地 (ジェノワーズ) 。
その上にイチゴとカスタードバタークリーム (クレームムスリンヌ) を盛り、アーモンド生地 (パートダモンド)で上面をカバー。
ケーキ側面に、半分に切られたイチゴの断面が、ずらーっと並んで見えるのがトレードマークです。
これがクラシックな基本レシピで、そこからみなさん、自分の個性を加えていかれます。
ところでこの「フレジエ」、じつは歴史がはっきりせず、多くのお菓子にはある、逸話さえもありません。
1903年のエスコフィエの本「料理の手引き Le Guide Culinaire」の中に、生イチゴとキルシュのレシピがあることと、1966年にルノートルが「バガテル」という、フレジエと材料的に似通ったデザートを発表したことが知られてるだけです。
私の手元にある1953年出版の料理事典*にもフレジエは載っていませんでした。
今やフランスではどのケーキ屋でも作ってる王道ケーキなのに、不思議です。
— 🍰 —
日本のいちごショートケーキは繊細な味だけど、フレジエはかなりイチゴイチゴした、結構ハデな味です。
イチゴ好きさ〜ん、フランス来たらぜひ「フレジエ」食べてみてね。
それではまた次回♪
*L’art Culinaire Française (1953) Flammarion
Le Petit Pâtissier- Venez découvrir la pâtisserie française moi!- Le fraisier