名言で学ぶフラ語「ボリス・ヴィアン」

名言で学ぶフランス語【ボリス・ヴィアン】編

 

みなさん、こんにちは。

今日のフランス語の名言集は【ボリス・ヴィアン】からです。

 

ボリス・ヴィアンは1920年生まれ。

小説家・作詞家・歌手・トランペッター・ジャズ評論家など、39年の短い人生の間に多くの肩書きを残した多才な人です。

彼の小説「日々の泡」はとくに有名で、彼のシュールなイマジネーションの世界を愛す根強いファンがいます。

 

そんな奇抜なヴィアンの哲学に触れつつもフラ語の勉強ができるよう、いくつか彼の名言をピックアップしてみました。

それではどうぞ、ごらんください♪

 

目次
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フラ語の名言【ボリス・ヴィアン】編

« L’amour n’est jamais ridicule. » Les bâtisseur d’empire

「愛は決してバカげてはいない。」

amour「♂愛」
ne…jamais「決して〜ない」
ridicule「バカげている」

 

« Je ne veux pas gagner ma vie, je l’ai. »   L’Écume des jours

「人生を勝ち取るなんてしたくない、持ってるんだしさ。」

 

gagner sa vie といえば「生計を立てる」という固定表現。

それと gagner 本来の意味「勝ち取る」という意味を掛けています。 

 

« L’amour engendre la jalousie, qui en est la preuve. » Traité de civisme

「愛は嫉妬を生み、それは愛の証拠なのだ。」

 

 qui は主格の関係代名詞。先行詞は la jalousie

 en は中性代名詞。 la preuve de l’amourde 以下をカバーして名詞の反復を防いでいます。

 

amour「♂愛」
engendre「子をもうける・生み出す」
jalousie「嫉妬」
preuve「♀証拠」

 

« Il vaut mieux être déçu que d’espérer dans le vague. »  L’Herbe rouge

「中途半端に期待するより、失望するほうがいい。」

 

 Il vaut mieux + inf. que…「…するより〜の方が良い」

déçu「ガッカリ失望した」
espérer「期待する」
vague「♂漠然としたもの」「♀波」

 

« Si on ne s’aimait pas tant soi-même on serait toujours seul. »

「自分が自分を本当に好きでいなければ、いつも自分はひとりぼっちだろう。」

 

 ホントそう。

「Si 半過去, 条件法現在」のきれいな文型。

s’aimer「自分が好きである」
tant「とても・それほど」
soi-même「自分自身」
seul「ただひとつの」

 

« Les gens ne changent pas. Ce sont les choses qui changent. » L’Écume des jours

「人は変わらない。物事が変化するのだ。」

les gens「♂人々」
changer「変わる・変える」
chose「♀物・事」

 

« Il ne sert à rien de vivre normalement : la normalité n’existe pas. »  L’Écume des jours

「普通に生きるなんて何の役にも立たない。だって “正常“ なんて存在しないんだから。」

 

何をもって「普通」とするのかってことかな… 哲学ですね。

 IL は非人称。指す内容は de 以下。

servir à…「〜の役に立つ」
vivre「生きる・生活する」
normalement「普通に」
normalité「♀正常さ」

 

« On n’oublie rien de ce qu’on veut oublier : c’est le reste qu’on oublie. »

「忘れたい事は何も忘れないで、その他のことを忘れるもんだ。」

 

ne…rien de 形・副「〜なものは何もない」
oublier「忘れる」
reste「♂残り」

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« À quoi est due la chute d’Adam et Eve ? – C’était une erreur de Genèse. » 

「アダムとイヴの堕罪は何が原因?」「 創世記のミス。」

 

言葉あそびで Genèsejeunesse の音をかけています。une erreur de jeunesse「若気の至り」

 

dû/due à…「〜に起因する(adj.)」
chute「♀墜落」
erreur「♀間違い」
la Genèse「創世記」

 

« On commence à avoir des malheurs quand on a cessé de ne penser qu’à soi. »

「自分のことだけ考えるのをやめたら、いろいろ厄介ごとを抱え始めるものさ。」

 

なんだか淋しいこと言ってる文ですが、まんざらハズレでもないかも?

commencer àcesser de の意味の対比がクッキリと出ています。

 

commencer à + inf「〜しはじめる」
malheur「♂不幸・不運・災難」
cesser de + inf.「〜するのをやめる」
ne…que…「〜しかない」
penser à…「〜について思う」

 

« L’histoire est entièrement vraie puisque je l’ai imaginée d’un bout à l’autre. » L’Écume des jours

「話は全っくもって本物、だって僕が最初から最後まで想像したんだから。」

 

histoirevraie の関係を「実話」とも「本物」ともとれ、その理由を「自分の想像によるフィクション」と言って、語意の矛盾で遊んだ表現です。

 

histoire「♀話・歴史」
entièrement「完全に・すっかり」

 

« À quoi bon soulever des montagnes quand il est si simple de passer par-dessus ? »

「上を乗り越えた方がよほど楽なのに、苦労して山をどかそうとして何になるのだ?」

 

soulever des montagnes の「多大な労力でもって困難を乗り越える」という熟語の意味と、「山を持ち上げる」という直接の意味をかけてます。

 

 il は非人称。de 以下が内容です。

 À quoi bon + inf./qc.「何の役に立つのだ?」

 

soulever「持ち上げる」
montagne「♂山」
si「それほど・とても」

simple「単純に」
passer「通る」
par-dessus「の上から・その上を」

 

« – Et vous, que faîtes-vous dans la vie ?  – Moi, j’apprends des choses, et j’aime Chloé. » L’Écume des jours

「で、あなたは何をなさってるので?」「僕は色んなことを学び、そしてクロエを愛してます。」

 

Que faîtes-vous dans la vie ? は「何の仕事をしてるのか」を聞く定番の表現。

それを直の意味でとって「クロエを愛してます」とはシャレた返答です。

 

« Ça m’est égal d’être laide ou belle. Il faut seulement que je plaise aux gens qui m’intéressent. » L’Herbe rouge

「醜いも美しいも、どうでもいい。とにかく私が興味のある人には気に入ってもらわなければ。」

 

動詞 plaireinteresser、文法的にイヤな動詞の代表ですね…

 plaire à qn「qn の気に入る」

Ex. : Je lui a plu.「彼()、私を気に入ったわ」 

 

 intéresser qn「qn の関心を引く」

Ex. : Je n’intéresse pas les filles.「女の子に振り向いてもらえないんだ」 

 

 Ça/Il est égal à qn de + inf.「 qn にとって〜はどうでもいい」

 

laid(e)「醜い」
beau/belle「美しい」
Il faut que + 接続法「〜しなければいけない」
seulement「だけ・しか」
les gens「人々」

 

« La vie n’est jamais banale, chaque événement que nous traversons recèle un mystère inexplicable. » L’écume des jours

「人生は決して平凡ではなく、我々が経験するどの出来事も、説明不可能なナゾを秘めている。」

神秘的。

 

ne…jamais「決して〜ない」
banal(e)「平凡な」
chaque「毎・どの」
événement「出来事・事件」
traverser「横断する・通過する」
receler「内蔵する・隠匿する」
mystère「秘密・不思議」
inexplicable「説明できない」 

 

« J’aime ce qui n’a pas de sens, ça réveille les cellules du cerveau. La fantaisie est un ingrédient nécessaire dans la vie. »

「バカげたものが好きでね、脳の細胞を刺激するから。空想力ってのは人生に必要な要素だよ。」

 

 これは奇想天外な発想ができるヴィアンらしい言葉だなと思います。

 Ça n’a pas de sens.「意味がない・バカげてる」

sens「意味・意義・価値」
réveiller「目覚めさせる」
cellule「♀細胞」
cerveau「♂脳」
fantaisie「♀空想力・奇抜さ・独創性」
ingrédient「♂含有物」
nécessaire「必要な」

 

 

おわりに

むかしヴィアンを全く知らなかった頃、知人から仏語版ヴィアン全集をもらい、読むよう勧められたのが « L’Écume des jours » 。予備知識なしで辞書片手に読み始めるも、見事にチンプンカンプン。文法的に超難関というわけではないのに、訳が分からないのです。当然そのときは投げ出しちゃいましたが、のちに日本語で読んで「コレは仏語版じゃ訳わからなかったワケだ」と妙に納得したのを覚えています。どうやったらこんな発想になんの?が私の感想でしたが、要は前衛的ファンタジー。彼の奇抜なイマジネーションと波長が合うと、とても楽しい作品だと思いました。

それではまた次回♪