フランス料理は決して堅苦しいものではない。

【フランスの食卓】にまつわる話。

みなさん、こんにちは。

今日は【フランスの食卓】にまつわるお話です。

日本でフランス料理と言えば、気取ったお固いイメージしかないけど、実際、フランスの家庭やレストランではどんな風なのかな?

そんな疑問をふまえて、フランス人たちの食事スタイルのお話をします。

これからフランスへ旅行する人、現地での生活が始まる人、興味のある方はどうぞ読んでみてください♪

1.フランス流食事の〆は【チーズとデザート】

フランス人たちは食事会の時はもちろん、普段の食卓でもチーズやデザートで最後をしめるのが大好き。食べる食べないは人それぞれですが、チーズ・デザートがテーブルにのぼる事が当たり前。

毎回チーズやデザートが出てくる度に「そんなに食べられるか!」と思っていましたが、案外すぐに慣れるものです。

そして特に「チーズで〆る」はワイン好きには欠かせない儀式。『お皿にとったチーズを終わらす為に、ワインをおかわりする ⇄ グラスに残ったワインを終わらせるために、チーズをおかわりする』を延々と繰り返して楽しみます。そして最後に、甘いもので一息つくのです。

2.【へべれけ🥴】になるまで飲まない。

仏人はヘベレケになるまで飲まない。

フランス人は食卓を囲んで、皆で意見を述べ合うのが大好きなので、大切な舌が回らなくなるまでは飲みません。テーブルではスマートにお酒と付き合える人が多いようです。

普段はそういう飲み方しない人なのに「珍しく飲みすぎてるね」という人は時々いますが、毎回よっ払っては自分の話ばかりしたり、周囲に不快な思いをさせる人は、悲しいかな、いつの間にかゴハン会には呼ばれなくなります。

3.フランス料理の【イメージ】について。

フランス料理は決して堅苦しいものではない。

日本にいた頃に抱いていたフランス料理の印象は、それはそれは、とても気取った食事。真っ白なテーブルクロスにナプキン、何本も並んだ銀のナイフとフォーク、取っ替え引っ替え出てくるお皿、そして芸術的に盛られたほんの少しの料理をシャッチョコ張って食べる。そんな、ホテルのレストランがフランス料理の典型的なイメージでした。

ところがどっこい!実際パリに多くあるのは、とても気さくなスタイルの、レストランやブラスリーです。お皿にテンコ盛りサーブされる、伝統的な家庭料理は沢山あって、宮廷料理みたいな高級フレンチだけが決してフランス料理なのではないのです。

野菜を煮込んだラタトゥイユ、ひき肉とポテトのアッシパルモンティエ、洋風おでんのポトフ、溶かしたチーズを乗せて食べるラクレット、グラタンドフィノワ、鴨コンフィ、キッシュ、ガレットなどなど。

レストランや家で食べるカジュアルな食事なら、メインだけでもいいし、前菜やデザートはあってもなくてもいい。自分の好きなように食べればいい。フランス人たちの日常スタイルの気軽なフランス料理が、実はとっても美味しいのです。

4.フランス人の口は意外と【保守的】?

フランス料理の変わった食材といえば、カタツムリ・カエル・ウサギ・ハト肉や、骨髄・脳ミソなどの臓物系。けっこう凄い物を食べるんだなという感じです。とは言え実際は、小型生物 (魚も含む) やモツ系を苦手とする仏人は案外いる、というのが正直な印象です。

そして個人的によく感じるのが、食事に関して保守的な人、つまり口馴染みの物を食べるのを好み、ゲテモノでなくても未知な物を食べるのを警戒する人が一定数います。

私は食い意地が張っているらしく、よほど奇抜な物でなければ、一口食べてから好きか嫌いかを決めるタイプ。こういう食べたことない物に興味を示すフランス人は、この10年でほんの数人しか出会ったことがありません。

そして食べる物に保守的な人は、「レシピ」に対しても保守的な印象があります。「この料理にコレは普通入ってない」とか

伝統料理のレシピは長い間に、余計な物は省かれ、足りない物は足され、一番バランスが取れて美味しいのがレシピとして残ってきているはず。だからレシピ通りが一番というのは理解できます。

でもそれをちょっと異風にアレンジしてあっても、美味しかったら別にいいやん… と私は思うのですが、そうは受け入れ難い人がいるようです。 

5.食事中に出す【音】に敏感。

フランスの食卓では、すすらない。

フランス人は食事中に出す音に敏感です。

ゲップはもちろん、スープ・麺類も絶対にすすりません。クチャクチャと音をさせて食べたり喋ったりするのもダメ。ナイフやフォークが出す音も、不快なものにならない様、できるだけ気をつけます。私は以前、お皿とフォークの摩擦音を注意されたことがあります😓。食事中に出しても良い音は「おしゃべりだけ」と思っていてもOK

余談ですが、ちなみにフランス人は、垂れてくる鼻も絶対にすすりません。人前でもティッシュで「ブヒーっ」とかみます (食卓では遠慮がち)。最初のうちは、人前で鼻をかんでるのを見るとギョっとするのですが、慣れると鼻をすする周期音を聞くよりも、一発ブヒーっとやってくれた方が爽快になります。

6.フランス人とワイン。

ちまたには「この料理にはこのワイン」という組み合わせ論があります。気取った食事会では、料理とワインの相性も伝統を重視しますが、普段の食事だとフランス人たちは「自分はどうしたいのか」で、カジュアルにワインを選びます。

レストランで魚料理を注文したけど、自分が飲みたい軽口の赤があれば、それを注文する。チーズや肉料理にだって、白ワインと合わせたいと思えばそうします。料理と合うワインを選びたいけどよく分からないなら、お店の人に合うワインを聞く。そうこうやってるうちに「コレとコレの組み合わせ好きだな…」という、自分の好みにそったルールが見えてきます。

好きなものを食べて、好きなワインを飲んで、おしゃべりして、食卓を楽しむのが一番大切です。

 

仏人たちの日常の食卓風景を見てきて、気づいたことや印象的なことをいくつか挙げてみました。食卓マナーに関しては、日本で食べ方や箸マナーに気をつけている人であれば、注意すべき点は基本的に同じなので、感覚で対処してればまず問題はないです。

気をつけたいのは『すすり音』。これは日本人はクセでやってしまいがちなので、現地では気をつけた方がよいかと思います。「食後に口拭きナプキンをきっちり畳むのはマナー違反だから、適度に崩しておく」とか言ったものも目にしますが、日常レベルのレストランや食事会では、そんなの気にしません。

私の経験では、食後のナプキンの畳み方より、ワインと料理の組み合わせより、使い終わったナイフとフォークの置き方より、妙な「音」をさせないで食べる方が大切です。フランス料理は、ガチガチなマナーやルールにとらわれた料理ではありません。リラックスしておしゃべりしながら頂くのが一番美味しい料理です。

パリに来て、直感に響く感じの良さそうなレストランを見つけたら、ぜひ入ってみてください。フランス料理の印象がコロッと変わると思います♪

フランス料理は決して堅苦しいものではない。
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