迷信は世界各国、どこにでもあります。四つ葉、てんとう虫、蹄鉄など、世界共通のモノもあれば、その国固有のモノもあり。
フランスでよく聞く迷信を、幸運・不運それぞれ10項目ピックアップしました。今回は、幸運を引き寄せる10を紹介します。
幸運を招く10のコト
四つ葉のクローバーをみつける
言わずもがなの四つ葉!世界共通のようですね。根気よく探しましょう。
私は見つけるのけっこう上手いです。少し離れたところからクローバー群を観察します。何となくモサモサして、違和感を感じる箇所に目をつけます。その場所を少し丁寧に探せば、意外とサッと見つかりますよ。
犬のウンコを左足でふむ
わざと踏んでもダメ。「左」は裏切り・理性欠如のシンボル。その悪い象徴の左でウンコの上を歩くのは、その悪を見下し屈服させることになるとか。
パリは犬のウンコが道端にたっくさん転がっています。左足でふんじゃったときは、ガッカリせずに喜びましょう。
木をさわる
これはフランスではしっかり根付いているおまじないです。木はもちろん本物の木。幸運を妨げることを見たり聞いたりした時、その悪い気を追い払うために木を触ります。その時「私は木をさわる」と同時に言う人もいます。
この行為は大昔からあり、中世ではキリストがかけられた十字架の木に由来して、祈りのために木に触るという行為が確立していたといいます。黒猫がハシゴの下を通ったときは、絶対に木を触るとか。
クモが糸をはるのを見る
フランスでは「朝のクモは悲しみ、昼のクモは富、夜のクモは希望」。クモは基本的に幸運の象徴です。デガティブなことは聞いた事がありません。ちょっとグロテスクな見かけによらず、悪者扱いされない生き物です。
クモが上から下に巣をはっているのを見ると、富がやってくる、壁を這ってるのを見ると良い知らせの前兆、肌の上をはってると幸運がやってくるなど。条件も様々ですが、何かしら絶対に良い事がついてきます。クモは絶対に殺さないという人も多いです。
蹄鉄
馬の蹄につける、鉄製のU字型のコレ↑です。幸運と富の象徴。家の壁やドアに、U字のように開いてる方を上にして引っ掛けます。こうすると幸運がこぼれ落ちません。
いわれはローマ皇帝ネロの時代に遡ります。彼は自分の馬のため、鍛冶屋に金でできた蹄鉄を作らせました。ところが当時の装着技術が甘かったのか、よく外れたそう。貧乏な人々は、道端に落ちてる金の蹄鉄を発見し、それを売ってお金を得ることができました。そこから、馬の蹄鉄は幸運と富を招くものとして位置づけられてます。
伝統では「道端で偶然見つけること」かつ「蹄鉄に釘がまだ残っている」と一番最強アイテムになると言われています。今の時代ではムリですね。
水兵の帽子の赤い玉房を触る
フランス水兵の制服であるセーラー服と白ベレー帽。このベレー帽のてっぺんにある、赤い丸いポンポンをさわると幸運が訪れる!というもの。
これ、けっこう幸運招きで有名なんですが、海沿いで大きな港のある地域限定ですね。それにセーラー服きた水兵さんなんて、そうそう見れないです。
左手の人差指でポンポンをさわって、相手が気づかなかったら、その日1日幸運のチャンス。1日のうちに3個さわれたら、3週間の幸運のチャンス!
そういや私の地元で昔、1日のうちにホルクスワーゲンのビートルを3台見たら幸運ゲットとかいうのが流行ったのを思い出しました…すっごい昔です。
テントウムシが飛び立つのを見る
天道虫と書くようにフランス語でも « bête à bon Dieu 神の虫»と呼んで、幸運の虫です。テントウムシが体にとまったら、星の数をかぞえます。その星数の月の間、幸運が訪れ続けます。
白いガラスものを割る
これも幸運を呼びます。わざと割ってもダメですよ。これを知ってから、食器とか白ばっかり買うようになってしまいました。
片手の人差し指と中指を交差させる
これは、片手で十字架をつくる、という事です。へしゃげた十字架にはなってしまいますが、幸運を呼ぶジェスチャーです。試験や何かの本番前に「君の幸運を祈ってるよ!」と指を交差させて見せてあげたり。よくばって左右両方の手でつくることもあります。
エーデルワイスの花/ウサギの手
どちらも幸運をよぶものです。でもエーデルワイスなんか、えらくアクセスしにくいところに生えてるとか言うし、ウサギの手を入手!なんて今の時代では有りえなさそうです。
おわりに
今回は幸運を招くコトをいくつか紹介しました。最近は「招きネコ」もフランス人の間でラッキーアイテムとして浸透しつつあります。こういう迷信は信じない方なのですが、「幸運が来るよ」と言われると、やっぱり探し求めてしまいます。次回は不運を招くコト10を紹介します。