みなさん、こんにちは。フランスの迷信【不運を呼ぶ】編の第2弾です。
今回の新しい10項目も、迷信の中ではかなりメジャーなものばかりです。
それではさっそく見てみましょう♪
今回はフランスの迷信【不幸を呼ぶ迷信】です。 「迷信」で、不幸を招くといわれる行為のいくつかは、マナーに直結することがあります。 フランスの迷信を知らなかった頃は、何かの折に人前でやってしまい、相手を戸惑わせてしまったことも少な[…]
Table des matière
【13人】がテーブルにつく
元来、12という数字が安定した数であるという概念があります。午前午後の12時間、1年12ヶ月、12星座、オリュンポス12神、イエスの12使徒…。
その12に1を足した13は調和が崩れるという意味があり、それはやはり有名なキリストの『最後の晩餐』 « La Cène » から来ています。裏切り者とされるユダが13番目にテーブルに着いたというもの。
そこから、ごはん会を自宅で催すことの多いフランス人たちは、13人がテーブルに着くのだけは絶対にさけます。
13人がテーブルに着いた場合、その中の一番若い人が、その年にこの世を去ると言われています。ひぇ~!
舞台で【緑】の衣装を着る
フランスでは『緑』は舞台関係者にはタブーの色です。役者・演奏家などは緑色の衣装を着ることはしません。
この迷信の由来は、中世に流行った舞台劇『ユダの受難』で、観客にとっても嫌われていた「ユダ役」が緑色の衣装を着ていたことから。
また、モリエールが亡くなる間際に『病は気から』を舞台で演じていた時、着ていた衣装が緑色であったからとも言われています。
ちなみに、イタリアは紫、スペインは黄、イギリスは青と緑がタブー色。
金曜日に【新品】の服を身に着ける
金曜日はキリストの死の日で悲しみと節制の日であるため、この日から新しい服や靴を身につけたり、新しい事を始めたりするのは幸先が良くないとされています。
【塩入れ】を手渡しする
一緒にテーブルについている者同士が仲違いすると言われています。
塩を誰かに回すときは、手渡しせずにテーブルの上に置きます。
ローマ時代に塩は、給料としても扱われていたくらい高価なものでした。中世に入っても大切なものであったのには変わりなく、その貴重なものを手渡しミスで無駄にしないようにする、というとこから来ているようです。
塩入れを手渡しそこねた者同士が、責任のなすりつけ合いで大ゲンカになったんでしょうね。
もし塩入れをひっくり返してしまったら、こぼれた塩を左の肩越しに後ろへ投げると清められます。
【左足】から起き上がる
朝ベットから抜け出すとき、左足から床につけて起き上がると、その日の悪いスタートを切ったことになり、一日中不機嫌になるようなことに見舞われます。
「左」は基本的に良いイメージでは扱われていません。これは古フランス語の「左」を表す言葉が、現代フランス語では「不吉な」「縁起の悪い」を表す単語となっているところからも分かります。
乾杯でグラスを【交差】させる
偶然できた十字は不吉とされています 。
道端におちてる2本の枯れ枝がクロスしてるとか…
フランス人たちがテーブルで乾杯をする時は、1対1で隣の人や向かいの人とグラスをチンと当てていきます。
つまり、あっちこっちから乾杯をするグラスを持った腕がテーブル上に伸びてくるわけで、この時にグラスをチンッとやってるAとBの腕に交差させるように、CとDがチンッさせないということ。
これは腕同士で不意の十字を作ることを防ぐためです。 (そしてグラスをチンとする瞬間は、絶対に相手の目を見ます。)
【鳥】が窓から家の中を見る・入ってくる
鳥が窓から家の中を見ているのは大惨事の前触れ。
鳥が家の中に入ってくると死の知らせが届く前兆。
他人の【杖】を使う
杖が必要である人の杖を使うと、その人と同じ運命を歩むことになると言われています。
他人の杖は絶対に使ってはいけません …
【香水の瓶】を割る
不運を招くとされます。
さすが香水の国の迷信。由来ははっきりとしませんが、でも何となく想像できますね。
高価なものであるし、臭いはキツイし、こぼれた中身を掃除するのが大変だからでしょうか …
18時以降に【ホウキ】をかける ・【爪】を切る
死者の魂を家に呼び込むことになります。
反対に、18時以前の玄関前のホウキかけは、幸運を呼び込みます。
【13日の金曜日】
迷信深い人は、不要な外出はやめて家でジッとしておく不吉な日です。
「金曜日」はイエスが十字架に架けられた日ということで有名ですが、アダムとイヴがリンゴを食べたのも金曜日、アベルがカインに殺されたのも金曜日とされています。
そして、1307年10月13日金曜日は、フランスの国王フィリップ4世「ルベル」が、テンプル騎士団長ジャック・ド・モレーをはじめとする騎士団たちを大量逮捕した日。
のちにドモレーが火刑に処されるとき、彼は教皇クレメンス5世と国王フィリップ4世の家系13代までに呪いをかけ、結果、同年に国王と教皇は死亡。
フィリップ4世のあと3人の息子たちが順次国王になりますが、皆即位後数年で亡くなり、男子後継者がいなくなったことから、フィリップ4世の死後14年でカペー朝は断絶します。
このようないきさつから、13日の金曜日はきらわれているのです。
しかし、この不吉とされる日を逆手にとって、勝負事が賑わう日でもあります。スポーツやカジノ、宝くじロトが大好きなフランス人にとって、13日金曜日はスーパーラッキーデー。その売り上げがグンと伸びる日でもあるのです。
ちなみにフランス語で『番号13恐怖症』は « La triskaïdékaphobie » トリスカイデカフォビー、『13日の金曜日恐怖症』を « La paraskevidékatriaphobie » パラスケヴィデカトリヤフォビーと言います。
おわりに
迷信、特に不運系はミステリー要素が強くでますが、昔の人の知恵でもあり歴史の結果でもあります。
なんでこう言われるようになったのかと由来を考えてみるのも面白いものです。
今回はフランスの迷信【不幸を呼ぶ迷信】です。 「迷信」で、不幸を招くといわれる行為のいくつかは、マナーに直結することがあります。 フランスの迷信を知らなかった頃は、何かの折に人前でやってしまい、相手を戸惑わせてしまったことも少な[…]