意外と難しいトレンチコート【ベージュ・膝丈・ダブル】の着こなし考察

春になると、無性に着たくなるベージュのトレンチコート。

長く使えるモノとして、バーバリーの定番「ベージュ・膝丈・ダブル」が私のワードローブにあります。でもこれ、意外と着こなしが難しいと感じるアイテムなのです。下手すると刑事か諜報員みたいになってしまうので、これだけは絶っ対に避けたい!

ここフランスでも、春や秋になると、ベージュの膝丈トレンチコートを上手に着こなしている女性を見かけます。そんな彼女らを観察し、どういう風に「ベージュ・膝丈・ダブル」を着たら素敵に見えるのか、なんでこんなに着こなしが難しいと感じるのかなど、問題点と解決法を模索してみました。興味のある方は、どうぞご覧ください♪

トレンチコートの難易度について

ファッションなんて、自分が楽しければそれでいい。好きな服なら周りの目を気にせずに着たらいい、とも思うんですが、そう単純ではありません。大好きなアイテムでも、必ずしも自分の着心地が良いとは限らないのです。

今日のテーマは、トレンチの【ベージュ・膝丈・ダブル】。今まで色んなタイプのトレンチを着てきましたが、これが一番着こなしの難易度が高いと感じるデザインです。もしこれにエポレット(肩ベルト)が付いてたら、私には絶対に着こなせません。。。

トレンチコートは制服みたいなもんで、一方的にイメージを作り上げてしまうようです。つまりトレンチに着られてしまってる状態になり易く、そうなると非常に不快。いかにトレンチに主導権を握られないかが、着こなしのポイントと言えそうです。

色による難易度

大きく分けて「明るい色」と「暗い色」。色自体は、着こなしの難易度を上げる要素にはあまりならないと思います。

「暗い色」はスッキリとして見えるので、ベルトで腰をマークしてもサイズ感が目立ちにくいですね。秋にも使えて便利です。

「白やベージュ系」は、気分的に春先に着たくなる色。ただ若干の膨張感は避けられないので、細身の人は得です。

着丈による難易度

トレンチコートの着丈はとっても重要。中に着る服とのバランスに関わってきます。

「膝丈」が一番難しいと感じます。コート下から見えるボトムの分量が中途半端になりやすく、ボトムを選ぶ丈です。ボトムを選ぶということは、靴も選ぶことになります。

「膝上丈」が一番着やすく、どんなボトムとも相性が良いです。

「ロング」と「お尻下丈」は、意外とボトムを選びません。着てしまえば、それなりのバランスで収まってくれます。身長の低い人だと、ロング丈は全体のバランスが難しいかもしれませんが、女子ならヒール履いて調整可能です。

ダブル / シングルによる難易度

「シングル」は簡単にスッキリ着こなせます。中のトップスも選びません。前を開けてカジュアルに、前を閉めてクラシックにも着れます。

「ダブル」はシングルに比べて、断然扱いが難しいです。前身頃の生地の分量が多いため、全体にゴツく見えるのです。前を開けて着ると、身前でプラプラしてる生地量が多いので鬱陶しく、場合によってはダラシなく見えます。特に着丈の長いダブルの場合、前ボタンを留めると、ベルトを締めることを余儀なくされるタイプです。

襟による難易度

「ステンカラー」はホント便利。一番上のボタンを留めるか留めないかで、オシャレを自由自在に楽しめます。コートの前を開けても襟元がつぶれ過ぎず、ほどよくシャキッと着れます。

「テーラード」は意外と、首回りや胸元が難しいです。デコルテ付近の見た目がペッタンコになるので、襟の後ろを立てたり、首まわりに何か持ってきたくなります。スカーフとかネックレスとかハイネックとか…   何かと要求の多い襟です。

ベルトによる難易度

トレンチコートを着る時に頭を悩ませるのが、このベルトの扱いだと思っていました。でも実際は大した問題ではないようです。

「前で結ぶか、後ろで結ぶか、結ばないか」だけの選択。要はコートの前を開けるか閉めるかで、ベルトの扱いが決まってきます。

「着丈の短いコート」ならベルト扱いも簡単です。前を閉めてようが開けてようが、ベルトがどうなってようが、少々おかしくても許容範囲内のバランスで全体がおさまります。

「着丈が長い」とそうはいきません。前のボタンを閉めてベルトを括らずでは、どうにもバランスが悪くなります。よって、ボタン閉めたらベルトは必須になってきます。

エポレットについて

「肩ベルト」は、いかり肩や刑事風になりたい人用で、下手すると滑稽にもなってしまう、ファッション難度強の部品です。たまにエポレット付きを嫌味なく着こなす人がいますが、そういう人はかなりのトレンチ上級者だと思います。

「ベージュ・膝丈・ダブル」をカジュアル化させる

さんざん【ベージュ・膝丈・ダブル】モデルの悪口(?)を書いたところで、色んなフランス人を観察してたどり着いた、アイテム着こなしポイントを紹介。目的は、トレンチに自分のイメージを勝手に操作されず、カジュアルに着る方法です。

  • ポイント1
    前を開けて着る。ベルトはお好きなように。ベルトがズレないように、両サイドのベルト通しに、ベルトをひと結びして固定してしまうのも手です。
  • ポイント2
    前を閉めて着るときは、ボタンは留めずに前身頃だけを合わせてベルトを結ぶ。バックルには通さず、バスローブ着るみたいな感じです。
  • ポイント3
    首にスカーフなどは、巻かない方がカジュアルになります。素材や巻き方によっては下手に巻くと、制服感がドンと出てしまいます。
  • ポイント4
    ボトムはひざ下がスッキリしたラインの物を。スキニーやスリムのジーンズ。女子なら、それにパンプスかショートブーツ。身長のある人なら、スニーカーもいいですね。スニーカーとトレンチって、ものすごくオシャレです。(ちなみにスカートは、トレンチにイメージ操作されやすいアイテムだと思うので要注意)
  • ポイント5
    袖をまくりあげて着るのも良いです。自然なラフ感が出ます。

 

おわりに

以上、ベージュ膝丈トレンチが、タンスの肥やしになるのを防ぐためのアイデアでした。定番型のトレンチは、流行り廃れがないのが良いところ。でもカッチリしたものをお洒落に着崩すのは、本当にムツかしいです。こうやってファッションに頭を悩ませるのも楽しもんですね。それでは、また次回♪

最新情報をチェック