仏映画【プロフェッショナル】ベルモンド演じるスパイアクション

みなさん、こんにちは。

今日は、1981年の公開当時フランスで大ヒットした、ロトネールの作品でベルモンド主演【プロフェッショナル】の紹介です。

いつもハイで軽快なイメージの強いベルモンドですが、この作品では国に見捨てられてもミッションを完結させようとする、プロの諜報員を演じるマジメ(?) なベルモンドの復讐劇が見られます。

助演の俳優陣も固くベルモンドを支え、モリコーネの音楽も申し分なくマッチし、しっかりと見応えのある、渋いアクション映画に仕上がっています。

作品情報

【プロフェッショナル】

原題  « Le Professionnel »
監督 ジョルジュ・ロトネル
音楽 エンニオ・モリコーネ 
出演 ジャン=ポール・ベルモンド
   ミシェル・ボーヌ
   ロベール・オッセン 

公開年  1981年
上映時間 108分
ジャンル アクション

あらすじ

フランス諜報員ジョスラン・ボーモンは、中央アフリカのマラガウィ共和国の独裁者ンジャラ大佐暗殺の任で現地に送り込まれる。

しかし、決行直前に政治状況が変動し、計画は中止に。ジョスにミッション中止の連絡を入れてフランスに連れ戻すのは困難だと判断した仏情報局のトップは、マラガウィ国側にジョスの存在をバラし、彼を見捨てる。捕らえられたジョスは麻薬売買の濡れ衣を着せられ、過酷な強制労働と拷問の長期刑に処せられる。

2年後、ジョスは脱獄しパリへ戻って来た。そして丁度パリに居るンジャラ大統領を暗殺すべく、ミッションを続行する旨の暗号メッセージを、情報局へ送る。ジョスがパリに戻って来たと分かった情報局は、警部ローゼンに彼を消すよう命じる。こうしてジョスの、彼を見捨てた旧友たちへの復讐が始まる。

(以下ネタバレ)

妻と愛人アリスにコンタクトをとり、コールガールのドリスを上手く使ってンジャラ大統領の居場所を掌握。ローゼン警部を殺した後、ンジャラ大統領の隠れる城へ赴き、待機している警察の狙撃手を上手く誘導して大統領を暗殺。そしてジョスが庭に待機するヘリコプターへ向かう時、大臣から情報局長へ、ジョスの出発を阻止するよう命令が下る。

感想

国と旧友に見捨てられ復讐にでる諜報員を演じる、静かなベルモンドが見れる作品です。

若い頃のあのテカテカしたサル男とはまた違う、40代後半の良い具合に渋みが出たベルモンドを堪能できました。この人は微笑みが本当に色っぽいですね。バカっぽい微笑みから、人となりが出る優しい微笑み、一抹の寂しさが見えるような微笑みなど、特に目と口元の表情が多彩です。

助演陣もカンペキでした。ジョス (ベルモンド) を追う腐った警部ローゼン役のオッセン、妙に頓馬な刑事ヴィリル役のドナデュ、ジョスを教育した上司役のボーヌ。

そして愛人アリス役のシリエル・クレールのため息がでる美しさ。

ベルモンドだけでなく、どの俳優たちも存在感が濃くて、味ある人物をきっちり描き切れていました。そこへあの有名なモリコーネの物憂げな音楽 « Chi mai » が、ストーリーに何とも言えないほろ苦さを添えます。

ちょっとザツな面や、詰めが甘く感じる箇所があるのは否めないですが、全体的にはアクション映画の割に風情のある素敵な作品に仕上がっていたと思います。

おまけ

・最初のアフリカでの裁判と脱獄の場面は、予算上アフリカで撮影はできず、南仏のカマルグで行われました。あの塩採取で有名な所ですね。

・大ヒットしたモリコーネの物憂げな音楽 « Chi mai »。 この音楽は後にドッグフードブランド「ロイヤルキャナン」のCM音楽に長く使われたため、あの音楽が流れるたびにCMの場面が鮮明に頭に浮かんできて、映画鑑賞に支障をきたす人が一定数いるそうです。気の毒に。

(ネタバレ) 結末はドラマチック版とハッピーエンド版の2バージョンで撮影されました。最後ジョスが殺されるのは、興行面にはちょっとリスキーなのではという見方もあったためです。しかしロトネールとベルモンドがドラマチック版を熱く支持しました。

それではまた次回♪

参考参照
Terrafemina-Le Professionnel : 5 choses à savoir sur le film avec Jean-Paul Belmondo
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