今日は、作曲家【ラヴェルの家】を紹介します。
パリの雨は日本と違い、カサ無しで済む雨が多いのですが、この日は珍しくドシャ降りでした。
前回に「ラヴェルの家」を訪れたのは10年前。
当時は室内の写真撮影可でしたが、現在は禁止になっています。
それなのに、前回に撮った写真データを無くしてしまって… 残念でなりません。
訪問は予約制で、ガイドが付きます。
ラヴェルの終の住処を訪ねて。
モーリス・ラヴェル (1875-1937) は、あの有名な「ボレロ」をはじめ、数々の名曲を残した作曲家です。
ラヴェルの家は、パリから西へ車で1時間半ほど走った街モンフォーラモリにあります。街の教会や城砦は10世紀ごろから存在し、中世の面影が今でも色濃く残っています。
↑これは10世紀の城砦の一部で、16世紀ごろにアンヌドブルターニュが、塔を付け足して再建した跡です。
1921年にラヴェルは、この城砦の丘麓にある家を買いました。傾斜地に建つ家のため、玄関は2階。とても展望の良い家なので「ル・べルヴェデール (美展望の館)」と名付けます。
彼は自分の好みに家を改装し、日本風の庭園も作りました。室内はグレー色やダミエ柄などモダンシックにまとめられていて、壁紙や家具の選択からも、彼のこだわりが感じられます。
そして注目すべきは、彼のコレクション類です。アジア美術が好きで、各部屋には浮世絵や東洋磁器が飾られていました。
ガイドの女性が、日本画に書かれた毛筆の仮名文字を見て「これ何て書いてあるの?」と聞いてきたのですが、恥ずかしいかな、読めませんでした。。。
ラヴェルはガジェット好きだったようで、機械仕掛けの小物や玩具なども多数コレクションしています。
ラヴェルが改装した家は、部屋数は多いのですが、各部屋が非常に狭いのが特徴です。
身長161㎝と小柄で細身の彼には不便ではなかったのでしょうが、部屋のつくりや、物の収集の仕方、インテリアの選び方など、随所に彼の几帳面さと、ある種のミニマル臭が感じられる家でした。
見学も終わって家をあとにしようとした時、ふとガイドのマダムが、むかし日本人作曲家がここを訪ねてきた時の話を始めました。
その作曲家は家を見学し終わったあと、インスピレーションが得られたと言って、玄関先の階段に座り込んで一心不乱に作曲していたと、その時の様子をちょっと楽しそうに話してくれました。
彼はどんな曲を書いたんでしょうね♪
5 Rue Maurice Ravel, 78490 Montfort-l’Amaury
電車だとモンパルナス駅からN線でモンフォーラモリメレで下車して、街中心まで3kmの徒歩で大変しんどい。