みなさん、こんにちは。
今日はフランス語の時制【半過去と複合過去】についてです。
この2つの時制、両方とも過去のことを話すときに使うのですが、それぞれ役割があります。
今日はこの2つの過去時制について観察してみました。
興味のある方どうぞ、ごらんください♪
Table des matière
フラ語「半過去と複合過去」のちがい
まずは簡単に、半過去と複合過去の色彩の差を見てみます。
半過去
半過去は「背景の描写」が専門です。よって、状態や習慣が継続していた様を描写します。イメージは舞台の背景や脇役をセッティングするかんじ。
Quand j’étais petit, mon voisin avait un chien qui s’appelait Polo et qui aboyait tout le temps sur les gens. C’était un vrai chien de garde. J’avais peur de croiser son regard.
「僕が小さかったとき、お隣さんが犬を飼っていた。ポロという名前で、しょっ中人に向かって吠えていた。ほんもんの番犬だった。ぼくはポロと目を合わすのが怖かった。」
セピア色っぽい情景が目に浮かびます。でも半過去のみだと、どんな環境かは伝わりますが、いつまでたっても事件が起こらず、写真の1ショットを見てるような平坦なイメージです。
つぎは複合過去です。
【複合過去】
複合過去は「アクション」が専門。とある時点の出来事 (動き) を描写し、と同時に完了していることを意味します。イメージは、舞台の役者の動きを描写するかんじ。
Je suis allée au marché ce matin, et j’ai acheté un poulet rôti. Après, je suis passée chez ma grand-mère et nous avons déjeuné ensemble.
「今朝マルシェへ行って、ローストチキンを一羽買ってね。そのあと祖母の家に寄って、お昼ご飯を一緒に食べたの。」
静かな半過去とは対象的に、動作の流れが感じられます。でも複合過去のみだと、何をしたのかはよく分かりますが、その時の背景が全く感じられません。
半過去と複合過去をまぜて…
Ce matin, quand je me suis réveillée, il y avait à coté de moi un chat qui me regardait. Il portait un sac à dos plein de poissons rouges. Il en a posé trois soigneusement sur mon oreiller et il est parti. J’en suis restée bouche bée pendant un bon moment.
「けさ目が覚めたら、すぐ横に猫がいて、私を見てたの。金魚がいっぱい入ったリュックを背負っててね、そのうち3匹を私の枕の上に置いて出て行ったわ。しばらく唖然としちゃった。」
半過去と複合過去がまじると、背景と動作が共に感じられ、生きた自然な色彩になりますね。
これが、半過去と複合過去の基本の機能です。
つぎに「継続のニュアンス」について、少し考えてみようと思います。
「継続のニュアンス」について。
– Quand tu m’as appelé, je regardais la télé.
「君が電話をかけてきた時、テレビをみてたんだ。」
上例のように「〜していた」という動作の継続は、単に習慣や状態と同じ背景描写なので「半過去」を使いました。
しかし、「継続期間が正確に限定」されている場合には、複合過去を用います。
– J’ai travaillé ici entre 2000 et 2005.
「2000年から2005年までここで働いた」
– J’ai dormi pendant que tu regardais la télé.
「君がテレビ観ている間、オレ寝ちゃったよ」
状態が継続している様子「〜の間〜してた」が頭をよぎり、半過去を使いたくなりますが、日本語に惑わされてはダメです。
出来事の期間が範囲指定されると、背景描写性よりも、「その期間限定の出来事の方が重要」であるのが分かると思います。なので複合過去をつかいます。
開始完了の時点が明確なので、出来事の起きた「その時点が幅広いだけ」と考えることもできますね。
なんとなく時制の色味が分かったところで、もう少し続けて観察してみます。
半過去と複合過去を比較してみる。
Tu dormais ?
「 あ、寝てた?」
(寝てたという状態の描写)
Tu as bien dormi ?
「よく寝れた?」
(完了した出来事)
Avant, il travaillait ici.
「以前彼はここで働いていた」
(状態を描写)
Il a travaillé ici pendant trois ans.
「3年間彼はここで働いた」
(正確な期間限定の出来事)
Quand j’étais jeune, j’allais au cinéma tous les jours.
「若かった頃は、毎日映画を観に行った」
(習慣の描写)
La semaine dernière, on est allés au cinéma tous les jours.
「先週は毎日映画を観に行った」
(先週の出来事)
J’avais peur des gros chiens quand j’étais petit.
「子供の頃は、大きな犬が怖かった」
(状態の描写)
Ce matin, j’ai eu peur quand ton chien a aboyé sur moi.
「今朝、君の犬が僕に吠えたときは怖かった!」
(その時点の出来事で完了している)
A cette époque-là, j’aimais beaucoup les films d’horreur.
「当時はホラー映画が大好きだった」
(状態の描写)
Tu as aimé le film qu’on a vu hier soir ?
「昨夜みた映画、気に入った?」
(時点の出来事)
Quand j’avais 20 ans, j’habitais à Paris.
「20歳のときはパリに住んでた」
(状態の描写)
Quand j’avais 20 ans, j’ai habité à Paris 6 mois.
「20歳のとき6ヶ月間パリに住んだ」
(期間限定の出来事)
Quand j’ai eu 20 ans, je suis parti de chez mes parents.
「20歳になったとき、実家を出た」
(20歳になった時点の出来事)
すこし半過去と複合過去の違いが感じられたでしょうか。
まとめ
半過去は「環境の描写」に視点を置く時に、複合過去は「動作の描写」に視点を置く時につかいます。
半過去はダラダラ続く継続感があるので、オチのないペタッとした印象をうけます。
複合過去は出来事のアクションを表現するので、時間の流れや躍動感、完了感があります。
半過去で舞台の背景や脇役をセッティングし、複合過去でアクションを入れるイメージですね。
でもまあ、あんまり厳しく考えすぎず「背景」か「アクション」か、「おおよそ期間の継続」か「限定期間の継続」かで使い分けるのでよいと思います。
それではまた次回♪