みなさん、こんにちは。
今日はシュークリームの兄弟「エクレア」と「ルリジューズ」のお話。
手に取ると、フカフカした外見からは想像できない、ズッシリとした重みを感じるシュークリーム。
それにガブッと食いつけば、サクッとしたシュー生地のわきから、カスタードクリームがあふれ出す。
これが日本のシュークリーム、最高です!
シューの故郷フランスでは、シュークリームはあまり見かけません。シュー生地を使ったお菓子やデザートはたくさんあるのにです。
エクレア、サントノレ、ルリジューズ、サロンボ、クロカンブーシュ、シューケット、プロフィットロール、グジェール…
歴史と伝統のお菓子「エクレア」とかぶるからでしょうかね。でもやっぱり、私は断然シュークリーム派… (ひつこい)
ということで、今日はシュー兄弟「エクレア」と「ルリジューズ」の歴史です。
「エクレア」の歴史
日本ではシュークリームの影に隠れてひっそりしてる「エクレア」。フランスじゃ、ちゃんと歴史ある名菓なのです。
16世紀にカトリンヌ・ド・メディシスの料理人ポペリーニが、シュー生地の先祖にあたる「パッタショ」(温める生地) を開発。当時はその生地で、細長い指型の「デュシェス」と呼ばれる、アーモンドをまぶしたパン菓子が作られていました。
レシピは改良が加えられ、18世紀にジャン・アヴィスが「シュー生地」を、19世紀に名職人オントナン・カレームが「エクレア」の元祖を作ります。
カレームは菓子デュシェスの中に、アプリコットのジャムやカスタードクリーム (クレームパティシエ) を詰め、上面は砂糖でグラッサージュをほどこしました。
しかし、当時はまだ「エクレア」とは呼ばれておらず、カレームの死後20年ほどたった1850年ごろに、やっと「エクレア」という名前が現れます。
「エクレア」は “稲妻” のこと。
名前の由来として、「カレーム発案の新型デュシェスは大ヒットで、あっという間 “稲妻” の如く売れるから」と言う説や、「小ぶりなので “稲妻” の如く速く食べられるから」という説があります。
でも、本当のところはナゾです。
「ルリジューズ」の歴史
フランスのケーキ屋の定番アイテム、シュー菓子「ルリジューズ」修道女。
シュークリームを雪だるま状に積んだお菓子で、胴と頭はカスタードクリームで満たされ、襟はバタークリーム、そして砂糖のグラサージュで装飾されています。
伝統は、チョコとカフェ味の2種類です。
このお菓子の歴史は、1855年、モンマルトル大通りに店を出していたナポリ出身の職人、フラスカティ (アイスクリーム名人) によって考案されました。
しかし当時は、カスタードクリーム (クレームパティシエ) を詰めた四角形のシューに、ホイップクリーム (クレームシャンティ) を盛ったお菓子。今のルリジューズとは全く違うデザインでした。雪だるま型になるのは、それから50年後のことです。
「ルリジューズ」の名前の由来ですが、1904年の仏語辞典ラルースに初めて「お菓子の名前」として登場するくらいで、詳しいことは分かっていません。
ちまたでは、修道女を模してこのお菓子が出来たよりも、砂糖やクリームでデコレーションされた姿が修道女に似ていたから付いた名前、と考えられています。
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ケーキ屋のシュー菓子において、シュークリームの存在がないフランスでは、エクレアが大きな顔してます。そしてルリジューズも、負けずにスタメンの地位を確保。
でも実は、あともう一種、お一人さまサイズの定番に「サロンボ」というシュー菓子があるのですが、それはまたべつの日に紹介します。
それではまた次回♪
Le Figaro-Éclair,macaron…L’histoire secrète de nos pâtisserie
Ouest-france- L’édition du soir- Comment réussir l’éclair, un dessert indémodable à l’histoire royale
La petite histoire de pâtisserie française- Benkhadra-Zakari